前半戦5位からなぜ日本一? 吉田正尚の穴も補えるかも…オリが誇る“最大の強み”

リリーフ陣では若い剛腕投手が続々と頭角を現した

 シーズン終盤、救援投手たちの躍動に舌を巻いたファンも多いだろう。2016年ドラフト6位の山崎颯一郎投手は、10月15日のソフトバンク戦で球団日本人最速の160キロをマーク。甘いマスクから放たれる力強い直球は女性ファンの心を鷲掴みにし、「吹田の主婦」という愛称も定着した。

 また、2020年育成ドラフト3位の宇田川優希投手も最速159キロをマーク。荒削りながらも、圧倒的な球威でパ・リーグの並みいる強打者たちをねじ伏せた。ポストシーズンでも、全7試合中4試合に登板、計5回2/3イニングを無失点に抑えるなどMVP級の活躍を見せた。

 そして、2017年ドラフト4位の本田仁海投手も、本格派としての才能が開花。42試合に登板し、剛腕リリーフ陣の一角を担った。2020年ドラフト6位の阿部翔太投手も、開幕から19試合連続無失点を記録するなど44試合に登板し防御率0.61、22ホールドと驚異的な成績をマーク。ドラフト前の評価を覆すように下位指名のリリーフ投手が飛躍を遂げ、球界に名を轟かせた1年であった。

 投手陣を支えたひとりとして忘れてはならないのが、ジェイコブ・ワゲスパック投手だ。身長198センチの体格を誇る助っ人右腕は、シーズン序盤は先発として起用されていたが、6月終了時点で防御率4.58といまひとつ成績を残すことができずにいた。しかしシーズン中盤から中継ぎに配置転換されると、9月には登板した9試合全てで無失点と好投した。日本シリーズでは5試合で無失点と、大車輪の活躍を見せた。山崎颯同様、リリーフに配置転換させる采配が見事に的中し、まさに中嶋監督率いるコーチ陣が魅せたマジックと言えるだろう。

 ベテランも優勝への原動力の1つだった。チームの守護神を務め、防御率1.57、リーグ3位の28セーブを挙げた平野佳寿投手は、パ・リーグ史上初・NPB史上2人目の「NPB通算200セーブ・150ホールド」の大偉業を達成した。比嘉幹貴投手はピンチで火消し役を担い、30試合で防御率2.53を記録。ともにリーグ優勝まであと一歩に迫った2014年の雪辱を果たした。

吉田正尚が抜け打撃力ダウンは必至も…問題なし?

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