「ナックル」がメジャーで絶滅 史上初のCY賞から10年…投球数ゼロに「本当に悲しい」

メッツ時代のRA・ディッキー氏【写真:Getty Images】
メッツ時代のRA・ディッキー氏【写真:Getty Images】

2012年、ナックルボーラー史上初のサイ・ヤング賞から約10年

 最近では“絶滅危惧種”とも言われる無回転の魔球「ナックルボール」が、ついにメジャーリーグからも姿を消そうとしている。野球専門の米データサイト「ファングラフス」のジェイ・ジャフ氏の調査によると、2022年には野手登板を除くと、純粋な投手によって投じられたのはゼロだったという。ジャフ氏のツイッターの投稿には、ファンからも「本当に悲しい」との声が上がっている。

 ジャフ氏の投稿では、RA・ディッキー投手について書いているときにこの事実が発見されたとしている。ディッキーはほぼナックルのみで投球を組み立てる「フルタイムナックルボーラー」として、2010年代前半に活躍。メッツ時代の2012年には20勝6敗、防御率2.73、230奪三振の活躍で、最多奪三振とナックルボーラーとして史上初のサイ・ヤング賞にも輝いた。

 それからわずか10年で、ナックルは絶滅の危機を迎えている。ディッキーの後にもスティーブン・ライト投手やミッキー・ジャニス投手らが“魔球”を操ったが、どちらも2022年にはメジャーでの登板がなかった。投手によって投じられたナックルがゼロだったのは「(短縮シーズンの)2020年を除けば、(2008年以降の)ピッチトラッキング時代におけるフルシーズン(162試合制)では初めてのことだ」と紹介している。

 ファンからは「これが1つの時代の終わりなら、私は悲しいよ」「本当に悲しい」との声が寄せられている。一方で、2010年代にはすでに希少になっていた中、ディッキーが現れたように「いずれナックルボーラーは戻ってくるだろう」と予測するコメントもあった。

(Full-Count編集部)

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