佐々木朗希に“弱点”はあるのか? 昨年のデータから検証…残された大きな課題とは

ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】
ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】

規定投球回未達も奪三振率はオリックス山本由伸を大きく上回った

 ロッテ佐々木朗希投手はプロ3年目の2022年、4月10日のオリックス戦でNPB史上16人目、28年ぶりとなる完全試合を達成するなど、幾度となく圧倒的な投球を披露した。今回は、昨年記録した具体的なデータをもとに、その投球の凄みと、いくつかの課題について見ていきたい。

 佐々木朗の最大の持ち味といえば、圧倒的な奪三振率。2022年の奪三振率は12.04(129回1/3で173奪三振)と驚異的な水準に達した。205奪三振で最多奪三振を獲得したオリックス山本由伸投手の奪三振率が9.56だったことを考えれば、いかに異次元であるかが分かる。

 制球力も備えている。2022年の与四球率は1.60。被打率も.177と低かった。結果として、1イニングに出した走者の数を表す「WHIP」も、0.80と1を下回る数字に。走者を出す機会そのものが非常に少なく、出色の安定感だった。奪三振を四球で割って求める「K/BB」は、一般的に3.50を上回れば優秀とされる。だが、佐々木朗のK/BBは7.52。先発としては驚異的な数値だった。

 月別成績を見ると、3月のシーズン初登板は6回3失点ながら10奪三振。4月には完全試合の快挙に加え、17イニング連続無安打という驚異的な投球を見せた。30イニングで50奪三振、与四球3。4試合で3勝、防御率0.90、奪三振率15.00、与四球率0.90の数字を残し、自身初の月間MVPにも輝いた。

 5月も奪三振率12.24、防御率と与四球率はともに1.08と、支配的な投球を継続。6月は奪三振率9.00とやや数字を落としたが、それでも防御率2.25、与四球率1.80と優れた数字を記録した。6月終了時点で防御率1.56。リーグ屈指の先発投手の地位に駆け上がりつつあった。

 しかし、7月1日の楽天戦では4回10奪三振という圧倒的な投球を見せながら、右手のマメを潰して緊急降板。自身初のオールスター出場は果たしたが、およそ1か月にわたって公式戦のマウンドから遠ざかった。復帰後も調子を取り戻すには時間がかかり、8月は防御率4.44と苦しんだ。それでも、9月に入ってからは3先発で防御率1.35。2桁勝利には届かなかったものの、良いかたちでシーズンを締めくくった。

本拠地での防御率は0.76も、楽天生命パークでは6.75と打ち込まれた

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