助っ人全員放出も…埋まっていない2つの“大穴” 「元巨人」だけでは足りぬ新戦力

ロッテを自由契約となったレオネス・マーティン(左)とブランドン・レアード【写真:荒川祐史】
ロッテを自由契約となったレオネス・マーティン(左)とブランドン・レアード【写真:荒川祐史】

2位から5位への大転落招いた助っ人の絶不調

 昨季パ・リーグ5位に終わったロッテは、井口資仁監督から吉井理人監督へと現場のトップが交代し、刷新された体制で今季の浮上を狙う。ただ気になるのは、補強の状況だ。昨季空いていた2つの“大穴”が、埋まっているとは言えないのだ。

 ロッテに昨季在籍した6人の外国人選手を保留選手名簿に入れず、12月に全員が自由契約選手として公示された。その後、巨人から自由契約となったCC・メルセデス投手、グレゴリー・ポランコ外野手の加入を発表。さらに昨季はタイガースでプレーしたルイス・カスティーヨ投手を獲得し、前ブルワーズのルイス・ペルドモ投手の加入も米国メディアで伝えられている。

 足りないのは野手だ。昨季在籍した外国人野手は、ブランドン・レアード内野手、レオネス・マーティン外野手、アデイニー・エチェバリア内野手の3人。2021年はオリックスと最後まで優勝を争ったチームの“転落”を招いたのは、レアードとマーティンの絶不調だった。

 レアードは2021年が29本塁打、95打点。それが昨季は15本塁打、48打点に。打率も.189という惨状だった。2021年に27本塁打、75打点を残し、強肩を生かした右翼守備でも活躍したマーティンは昨季打率.163の不振で68試合出場にとどまった。

 2人が予定されていた右翼とDHがどれだけチームの“弱点”となったかは、データでも証明されている。セイバーメトリクスを用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照してみよう。リーグ平均の選手を起用した時と比べ、どれだけ得点を増減させたかを示す指標「wRAA」で、ロッテの指名打者は-20.9でパ・リーグ最下位。5位の日本ハムが-3.4だから、どれだけ“独走”していたかが分かる。右翼も-6.1でリーグ4位と、+20.7で強みとしていた2021年から大きく落ち込んだ。

 新加入のポランコは、昨季巨人でこの「wRAA」は10.9とプラスの数値を叩き出している。ポジションも外野か指名打者だ。それでも打線の穴を埋めるには全く足りていない。さらなる補強があるのか。ファンの期待は高まっている。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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