DeNA25年ぶりの優勝に不可欠な“3つの進化” 投打に設定した“超具体的ノルマ”

攻撃改革をさらに…「今年は1つ先の塁は当たり前、2つ先を狙う」

 チームの出塁率については「数字的には.320以上、リーグトップを目指す」と三浦監督。「出塁にはヒットを打つこともそうだが、四球も死球も含まれる。選手はそれぞれタイプが違う。各々どうすれば塁に出られるかを意識してもらう」とうなずいた。昨年のチーム出塁率はリーグ4位の.308で、トップはヤクルトの.318だった。

 さらにUBR(アルティメット・ベースランニング)は、盗塁以外の「走塁」でチームに何得点相当の貢献をしたかを表すセイバーメトリクスの指標で、昨年はリーグ4位の5.4だった。「昨年は常に1つ先の塁を狙うことを意識して取り組み、成果が出た。今年は1つ先の塁は当たり前。2つ先を目指そうということで取り組んでもらいます」。

 昨年はOBの石井琢朗氏を野手総合コーチ(現チーフ打撃コーチ)に迎え、一発頼みから“つなぐ攻撃”へ舵を切った。実際、チームの盗塁数は一昨年の31(リーグワースト)から昨年は49(同5位)へ、犠打数も一昨年の81(同5位)から昨年102(同4位)へ増え、進塁打も巧みになった。「勝つためにチーム打撃は絶対必要で、各選手がそういう意識を持てるようになってきた。今年は昨年の方針を変えるのではなく、上乗せして次の段階に入るということです」と三浦監督は自信もうかがわせる。

 各コーチが昨年の課題を挙げ、それに沿ってアナリスト(データ収集・分析担当)陣が設定したのが、この目標値である。漠然とした意欲だけではない。今年のベイスターズは理論的に着々と、四半期ぶりの優勝に近づいている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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