電話で伝えた代表選出「命懸けで」 異質な空気感…侍J・栗山監督が感じた“日本の魂”

会見に臨んだ侍ジャパン・栗山英樹監督【写真:荒川祐史】
会見に臨んだ侍ジャパン・栗山英樹監督【写真:荒川祐史】

栗山監督「日本野球の魂を最大限に生かす。我慢しながら勝ち切っていく」

 3月に開催される「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」の記者会見が26日に行われ、野球日本代表「侍ジャパン」の栗山英樹監督が登録予定30選手を発表した。会見ではメンバー選考や各選手への通達時の舞台裏を明かした。

 WBCの登録メンバーは30人。当初は投手14人でチーム編成する予定だったが、守り勝つ野球を標榜する栗山監督の意向で投手15人に増やした。

「日本野球の魂を最大限に生かす。その形は何なのかを考え続けました。基本的には投手を中心に守りながら、我慢しながら勝ち切っていく。とにかく世界一になると思ってメンバーを選びました」

 コーチ陣とスタッフ会議を重ねた上で、日本野球機構(NPB)から代表選手の所属する各球団に連絡。代表選手へ通達はその後だったが、栗山監督は同時に代表選手に電話連絡を入れたという。「1人1人の選手と覚悟して戦っていきましょうという思いをなんとか共有したいと思って。1人1人の選手に連絡をさせてもらって、話をさせてもらいました」。

 すぐに電話が繋がる選手もいれば、なかなか繋がらない選手もいたという。日本ハム監督を10年務めた百戦錬磨の指揮官だが、その電話から異質な空気を感じたという。

「電話がつながった時の空気感は、僕も初めてでした。すごく緊張感があったし、『命懸けでいきますよ』という言葉ではない空気感が伝わってきた。自分の中ではその空気感だけで十分だった。その選手の思いを無駄にしないように、怪我のないように、しっかり勝ち切れるように。その時こう思いました」

 侍ジャパンの宮崎キャンプは2月17日から。米マイアミでの3月21日(日本時間22日)の決勝戦まで1か月ほどの戦いとなる。「世界一! それだけです」。代表選手から魂を受けた栗山監督。一体どのようなタクトを振るのか。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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