同じ条件で目指す「アレ」 叶った名将の夢…阪神ヘッドが欠かさぬ通勤途中の“報告”

平田勝男氏に染み付いた「星野の教え」今も続ける連日の“報告”

 島野さんは2007年に、星野さんは2018年にこの世を去ったが、平田ヘッドはその数々の教えを忘れることはない。「俺は本当に人に恵まれている」と言う。星野監督に島野ヘッドがいたように、岡田監督には平田ヘッド。「その気持ちで2005年も『アレ』したんだからね。それをもう1回。やっぱり勝たないかん。よその球団のことはみんな気になるけど、それよりもやっぱりタイガースのチーム作りをどうしていくか、だよね」と熱い決意も語った。

 平田ヘッドは甲子園や鳴尾浜への行き帰りには芦屋市内にあった星野さんの家の前を必ず通ることにしているという。「心の中で『行って参ります』、帰りは『今、終わりました』って報告しながらね」。散歩コースにもしており、その時は家の前で立ち止まり、手を合わせているそうだ。「これは恥ずかしい話なんだけど(名古屋市にある)星野さんのお墓にはまだ行ってないんだよね。それがすごく気になっていて……。だから毎日お墓参りしているつもりで……」。

 2023年シーズンも本拠地ゲームの時は毎回、星野さんに挨拶して球場に向かい、その日の報告をして家に帰ることになる。「もちろん、お墓にも行かなきゃって思っているよ」と平田ヘッド。1日24時間、1年365日、それこそ指揮官時代はいつも熱気にあふれていた星野さんをつぶさに見てきた経験があって、今があるとの思いでいっぱいでいる。シーズンを終えた後には感謝の言葉を添えたうえで「アレ」の報告もしたいところだ。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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