選抜決定の翌日に慶応高ナインが受けた刺激 知的障がいある球児と交流する意義
2021年に発足し今回が20回目…慶応高はオンライン含め4回実施
「甲子園夢プロジェクト」は2021年に発足。全国の高校野球部と合同練習を行い、今回が第20回だった。中でも慶応高は、オンライン開催1回を含め4回実施している。発起人の東京都立青鳥特別支援学校・久保田浩司主任教諭は「支援学校生にも、普通の高校生同様に野球ができる環境をつくりたい」と趣旨を説明し、「慶応高の森林貴彦監督には、いつも快く受けていただいていて、ありがたい。昨日(27日)甲子園出場が決まったばかりだけに、子どもたちは本当にいい刺激を受けています」と目を細めた。
慶応高の選手たちは、一緒にノックをこなし、打撃練習では技術指導を行なった。清原は「普段では感じられない刺激をたくさんもらえたので、いい方向に生かしていきたいです。教えることの難しさがわかったので、森林さん(監督)に感謝したいです」と振り返った。森林監督は今後も定期的に合同練習を行っていく意向で、「ウチの選手たちも、彼らが純粋にボールを追いかける姿を見て、心が洗われたのではないか。背番号をもらえなくて悔しいとか、いろいろな気持ちがあるだろうけれど、そういうことよりも目の前のボールを追いかけてほしいです」と話した。
森林監督は慶応高の選手たちに感想文の提出を求め、「僕がこう感じろ、と言うのではなく、1人1人の感性で何を感じ取ってくれたかを楽しみにしています。感想を読んだ上で、また選手たちと話し合ってみたい。合同練習の意義は、われわれにとっても大きいと思います」とうなずいた。プロジェクトメンバーと慶応高ナインに相乗効果が生まれるのが理想的だ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)