イチロー氏の極意「難しいプレーを簡単に」 HRキャッチに秘められた24年前の好守
イチロー氏のHRキャッチにMLB公式サイト再脚光「明らかにヤマモリの影響が見てとれる」
イチロー氏(現マリナーズ会長付き特別補佐兼インストラクター)の広大な守備範囲は、マリナーズ本拠地セーフコ・フィールド(現T-モバイル・パーク)のライトを「エリア51」と称されるほどだった。そんなレジェンドが守備で沸かせたのは2005年5月2日のエンゼルス戦での本塁打キャッチだ。MLB公式サイトは「『教えられるものではない』5人の名手がHRキャッチの仕方を語る」と特集。名手の守備が再脚光を浴びている。
イチロー氏が沸かせたのは5点ビハインドの7回。左の大砲アンダーソンの右翼後方に上がった打球に反応。打球との距離を測るように右翼フェンスに足をかけてジャンプ。体を反転させながら打球を好捕した。MLB公式サイトは捕球技術に注目。「フェンスを登り、体が最高点に達する直前に上半身を右側にくるりと回転させ、グラウンドに降りる寸前に逆手で打球を捕ったのだ。観客は仰天し、この試合ではほとんど静かだった2万4184人のファンは息を吹き返した。イチローはスタンディングオベーションを受けた。この試合を生で観戦した人々は試合結果を覚えていないかもしれないが、イチローの驚くべきプレーは忘れない」と述懐した。
記事によると、当時のイチロー氏には阪急・山森雅文の好守が頭にあったという。1981年9月16日のロッテ戦(西宮)、弘田澄男の左翼後方への本塁打性の飛球にフェンスをよじ登ってキャッチ。今でも語り継がれるスーパープレーだが、そのプレーを覚えていたという。MLB公式は「そのプレーから24年後のイチローのキャッチには、明らかにヤマモリの影響が見てとれる」と注目。現役時代に難しいプレーも簡単に見せてきたイチロー氏について、「現役中に数えきれないほど難しいプレーを簡単に見せてきた。しかしそれが偶然に決まったことは一度もなく、すべて入念に練られた結果だった」と称えている。
(Full-Count編集部)