打たねばクビ…移籍したロマン砲の“明暗” 新天地が呼んだ「代打逆転満塁サヨナラ弾」

「代打逆転満塁サヨナラ弾男」も阪神でくすぶっていた

 近鉄へ移籍しての成功例は他にもある。阪神から移籍した北川博敏内野手だ。2001年の近鉄優勝を決める「代打逆転満塁サヨナラ弾」で知られるが、元々1995年にドラフト2位で阪神入り。阪神での6年間は1軍での本塁打は「ゼロ」だった。2軍では首位打者争いをするなど強打を見せたが、捕手だったことも定位置を奪う上でネックとなった。

 2001年に近鉄へ移籍するとその年6本塁打。2004年には133試合に出場して20本塁打、打率.303をマークするなど中心選手となった。球団合併でオリックスへ移籍し、2012年限りで引退するまで通算102本塁打を放った。

 近年では鵜久森淳志外野手も、新天地で花開いた例だろう。済美高の主砲として甲子園で活躍し2005年に日本ハム入り。長打力が魅力で、2009年には2軍で20本塁打したこともあったが、1軍では2012年の4本塁打がキャリア最高だった。2015年のオフには戦力外となり、ヤクルトへ移籍した。

 2016年、新天地では左キラーとして居場所をつかんだ。阪神・岩田稔投手から開幕早々に本塁打を放ち、8月27日には甲子園で岩崎優投手から1軍初の満塁本塁打。キャリアハイとなる46試合に出場し4本塁打、打率.257を残した。翌2017年も4月2日のDeNA戦でサヨナラ満塁本塁打。定位置獲得とはいかなかったが、印象深い活躍を見せた。

 今オフ、阪神からは江越のほかに、2016年、2017年とウエスタン・リーグで本塁打と打点の2冠に輝いた陽川尚将内野手も、現役ドラフトで指名された西武へと移籍した。江越は9年目、陽川は10年目の新天地だが、過去の例を見れば決して遅すぎないことがわかる。2人は花開いた先人たちに続けるだろうか。

(Full-Count編集部)

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