コーチの“軽はずみ発言”に「頭にきた」 プライド汚された中日エースの怒りの矛先

星野中日1年目…小松氏は開幕3戦目登板で完封勝利を飾った

 小松氏は1987年にも17勝をマークして、最多勝に輝いたが「前の17勝の時とは違っていた。ゾーンには入っていなかった。そんなイメージはなかった」という。その年は星野仙一監督の1年目。ロッテからトレードで落合博満内野手が加入するなど、中日はこれまで以上に注目を集めていたが、小松氏にとっては怒りから始まったシーズンだった。「絶対、俺が開幕投手だと思っていたのに3戦目だった。その言われ方が気に入らなかった」。

 開幕1週間くらい前のことだった。「(1軍投手コーチの)池田(英俊)さんがブルペンに来て『お前、3つ目』って。それだけ言って行っちゃったから、頭にきた」。開幕投手には左腕・杉本正投手が指名されたが「『杉本の調子がいいので1戦目に行くから、お前は3戦目な』って言われたら『いいですよ』ってなるんだけど、そういうのがなかったからね」と今でも納得できない口調で話した。

 後楽園球場での巨人との開幕戦は0-6で敗戦。鈴木孝政投手が先発した2戦目は2-4で敗れて2連敗となった。そして3戦目。小松氏が3安打完封で2-0と勝利を飾った。これが星野監督の記念すべき1勝目となったが「頭に来たまま投げた。そら、見たことかって思ったね」。怒りの完封ショーだったわけだ。もっとも、この後、驚くことになる。監督賞の金額が前年までとは桁が違っていた。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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