巨人・戸郷が侍キャンプ前日に得た“手応え” ダルビッシュ塾で踏み込んだ「僕にない感覚」

合同練習をした侍ジャパン・ダルビッシュ有(左)と戸郷翔征【写真:荒川祐史】
合同練習をした侍ジャパン・ダルビッシュ有(左)と戸郷翔征【写真:荒川祐史】

前日には一緒に食事も「親切でいろんなことを教えてくれた」

 このチャンスを何としても自分のものにする。そんな気概が見えた。野球日本代表「侍ジャパン」に選ばれた巨人・戸郷翔征投手は16日、パドレスのダルビッシュ有投手と練習を行い急接近。3月9日に始まる「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」(WBC)まで残り1か月を切ったが、変化を恐れず上を目指す。

 17日から行われる宮崎キャンプを前に、一足早く現地入りしたダルビッシュと合同練習。約20分にわたり、変化球の握りや腕の振りを教わった。質問の内容は「言えないことも多い」としながらも、WBC球への対応ではなく、あくまで普段の技術について。「日本のシーズンでも使えるようになれたらと思います」と自分のものにしていくつもりだ。「僕にはない感覚だった。これからの野球人生に生きるなと感じました」という新たな発見に、納得の表情を見せる。

 ダルビッシュとは初対面だったというが、「親切でいろんなことを教えてくれた」と嬉しそうだ。前日から食事を共にし、そこでも野球談議にふけった。「話しにくさとかはなかった」と、自ら進んで質問を繰り返した。この日はスライダーやツーシームなど、自身の全球種についてアドバイスを受けた。「僕の感覚で投げていいボールがたくさんあったので、笑顔でできました」と手応えを感じている。

 ダルビッシュも「自分の経験を伝えて“引き出し”を作ってもらえれば」と技術を惜しみなく伝えるつもりだ。戸郷の投球を見て「去年、奪三振王だと思うんですけど、その理由はしっかりあるなという感じでした」と絶賛。戸郷も「この後もこうやって、いろいろ人に話しかけて吸収できたらと思います」と話す。

 もちろん、目先の目標は世界一。「まずは、侍の試合に向けて結果を求めるだけなので」と抜かりはない。ただ、ダルビッシュから学んだことは巨人に戻っても不変。キャンプを調整ではなく、進化の場にするつもりだ。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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