侍ジャパンに届いた“朗報” 伊藤大海が笑顔のワケ「いつもの感覚で投げられる」

日本製ロジン使用可に安堵「僕は手汗が酷くて、メジャー仕様ではべたつく」
昨年11月のオーストラリアとの強化試合では一転、米国製のロジンが使われ、伊藤は違和感を訴えていた。ロジンを一切使わないことも検討していたが、慣れ親しんだ日本製を使うことが可能になり、「僕は手汗が酷くて、メジャー仕様ではべたつく。これでいつも通りの感覚で投げられると思います。使用球の違いは気にならないので、その辺はもう大丈夫かな」と大いに手応えを得た。
また、独特の超スローカーブもこの日のブルペンで2球披露。「もう少し投げたかったのですが、ブルペンの天井が低かったので……。1球目はすっぽ抜けて、ダルさんに『なんやそれ?』と言われてしまいましたが、2球目は良かった」と振り返る。
昨季には80キロ台序盤を計測した“魔球”。WBCで相手国の打者が、見たこともない球筋に天を仰ぐシーンが目に浮かぶようだ。本人は熟考の末、「サミングボール」と命名。「釣りで、糸の出を親指を使って調整することをサミングと言います。カーブも親指で調整するので」と説明するが、世間に浸透するかどうかは、WBCでの活躍次第かもしれない。
「コーチ陣からは『臨機応変に、いろいろなシチュエーションで投げてもらうことを想定している』と言われています。チームが苦しい場面で、しっかり期待に応えられるように準備したい」と頼もしい。国際試合の歴史にもう1度名前を刻むか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)