「驚いた選手もいただろう」 タイブレークの想定練習…侍J栗山監督が実施した意図

栗山監督「状況に合わせて色々なサインを出させてもらった」

 侍ジャパンの栗山英樹監督は、三塁コーチスボックスから1球1球サインを送る白井一幸ヘッドコーチの背後に立って、“戦況”を見守っていた。指揮官は「タイブレークは点差によってやり方が変わるので、今日は状況に合わせて、いろいろなサインを出させてもらった。『この場面でこんなサインを出すのか』と驚いた選手もいただろうけれど、黒板に書いて説明してもあまり伝わらないので、実際にやってみて良かったと思う」と説明。「白井コーチが出すサインを、みんなが凄く必死に見ていた。こちらの意図としては、だいぶ良かった」と選手たちの反応に笑みを浮かべた。

 もっとも、打撃投手が投手を務めたため、打者は概ね容易に思い通りのバッティングができ、その分ピンときていない選手も多かったようだ。山川穂高内野手(西武)は「対外試合でやるのであれば、とてもいい練習になると思いますが……」と首をひねり、「タイブレークというのは、なかなか経験できないルールなので、できればそうなる前に、(9回までに)完全に決めるのが一番いい。いずれにせよ、最初からタイブレークになることを想定して試合に臨むことはない。その時になってから考えることだと思います」と語った。

 今月25、26日にソフトバンクと対戦する強化試合「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ 2023 宮崎」2試合のうち、1試合は展開に関わらずタイブレークを実施する予定だという。延長10回以降に繰り上がったということは、本番でタイブレークに臨む可能性が高まったということ。3大会ぶりの世界一を目指すからには、対策と慣れをつくってから本場に臨むに越したことはない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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