侍Jの正捕手争いどうなる? 固定か使い分けか、伯仲の三つ巴…首脳陣の構想は
2017年大会は巨人・小林が正捕手も「最初からレギュラーだったわけではない」
さらに「前回の2017年のWBCにしても、誠司(巨人・小林誠司捕手)が最初からレギュラーだったわけではありません。当時の小久保裕紀監督は最初、半信半疑で使っていましたが、誠司が今日も明日も結果を出していく中で、ああいう形になりました」と、当時も同じ役職を務めていた村田コーチは振り返る。2017年の第4回WBCで小林は、全7試合でスタメンマスクをかぶり、打っては打率.450(20打数9安打)1本塁打6打点をマークした。
一方、準備期間が極端に短い国際大会では、味方投手や相手打者について、捕手同士の情報共有も重要になる。中村は「誰が出るかは、どうでもいいんです。世界一を目指して、スタメンでも途中出場でも、行けと言われた時に力を発揮できるように、100%の準備をしておくことが大事だと思います。ダルビッシュさんのいろいろな球を受けさせていただいたことも、準備の一環です」と言う。
中村はさらに「捕手3人でコミュニケーションを取りながら、(甲斐)拓也は拓也なりの、大城には大城なりのイメージがあると思うけれど、村田コーチを含めてみんなで考えながら、各投手の良さを引き出していければいい」と強調する。
実際、ダルビッシュのライブBP中、捕手交代の際には甲斐から中村に、「今日のダルビッシュさんはこんな感じです」、「次はこうやりたいみたいですね」といった引き継ぎがあったという。2009年の第2回WBCでは城島健司(当時マリナーズ)、13年の第3回では阿部慎之助(当時巨人)が、打線でも4番を務め、攻守の要として君臨していたが、今回の現状は違う。試合を重ねていく中で1人の存在が突出してくる可能性もあるが、いずれにせよ、舞台裏では3人がかりで勝つためのリードを模索していくことになりそうだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)