「本塁打ガンガン打てる感じしない」打率.000…山川穂高が踏み切る“突貫工事”

侍ジャパン・山川穂高【写真:荒川祐史】
侍ジャパン・山川穂高【写真:荒川祐史】

4試合通算12打数無安打1四球「感覚として当たりが薄い」

 侍ジャパンは6日と7日に、京セラドーム大阪で行われる「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 強化試合」で阪神、オリックスと対戦し、いよいよ第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)本番を迎える。これまで壮行試合4試合で通算12打数無安打1四球の山川穂高内野手(西武)は、本番直前の“突貫工事”で不振脱出を図る意思を示した。

 本番の「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」1次ラウンド初戦の中国戦は、9日に迫っている。残り少ない中で、山川は「今年からバット(の先端)をくりぬいて軽くしていたのですが、軽くしすぎたかもしれません。自分が思ったところとバットが合っていない。去年の物に戻してみます」と語った。

「みんなが思っているより、実はそんなに調子は悪くないと思っています。特に球が速く見えるわけではないですし、フォームも悪くない。全部バットの先に当たっている。ヒットが出ていないことより、感覚として当たりが薄いことが気になっています」と言う。

 昨季終了後、セ・リーグで史上最年少3冠王に輝いた村上宗隆内野手(ヤクルト)のバットを参考に、自身のバットを先端部分をくりぬいた形に変え、重量を昨年比20グラム減の900グラム、長さも2センチ短い85センチとした。昨季41本塁打、90打点でパ・リーグ2冠を獲得していたが、31歳となり、相手投手の高速化や変化球の進化に対応するため、バットの操作性を高める意図があった。

「去年の村上の成績を見て、グラム数を聞いて、自分のパワーでもできると思った」と説明するが、WBC開幕までに使いこなすには、あまりにも準備期間が短かったかもしれない。「どんぴしゃだと思って振っても、ちょっとタイミングがずれている。(2月17日に)ジャパンのキャンプに入って以降、首をかしげるような打撃練習しかできていない。このままだと、WBCはもちろんシーズンも、ホームランをガンガン打てる感じがしない」と決断に踏み切った。

 ただ、昨年まで使用したバットは手元になく、急きょメーカーなどに問い合わせ。「6日の強化試合の練習から去年のバットで打ち、残り2試合でどうなるか」と言うから、まさに突貫工事となる。「1次ラウンドが始まればいろいろありますが、大事なのは感覚なので」と手応えを探し求める国内随一の長距離砲。ファンも首脳陣もチームメートも、復調を待ち望んでいる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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