侍J、準決勝は「歯が立たない相手ではない」 “メジャー軍団”にも勝機が見える根拠

侍ジャパン・山本由伸【写真:Getty Images】
侍ジャパン・山本由伸【写真:Getty Images】

準決勝以降は継投策へ?「マウンドに上げて不安な投手はほとんどいない」

 それでも、新井氏は「そこまでの大量得点は見込めないかもしれないが、歯が立たない相手ではない」と指摘する。今回の侍ジャパンには左右を苦にする打者がおらず、準々決勝のイタリア戦でも150キロを超える投手からワンチャンスをしっかりものにしていることを挙げる。

「大谷、吉田、村上の中軸3人は変わらずキーマンになる。初めて対戦する投手に積極的にスイングでき、逆方向へ放つ岡本も心強い。繋ぐこともでき、長打もある打線なので対応はしやすいのではないでしょうか」

 投手陣では大谷、ダルビッシュの“メジャーコンビ”の登板は見込めないが、佐々木、山本のスターターは「2人と遜色ない投球ができる」と期待し、「もう先発で何イニング持ってほしい、という試合ではない。極端に言えば1人の投手が1イニング全力で、という継投もありえる。マウンドに上げて不安な投手はほとんどいない。どんどんつぎ込んでいくと思います」と、マシンガン継投の可能性もあるとみている。

 唯一の不安要素はホームの日本を離れ米国で行われる試合だ。「一番は時差とコンディション。これまでは慣れ親しんだ日本で試合を行い、調整もある程度うまくいった。短期間での移動と試合を行うので、うまく調整できれば」と新井氏。

 WBCでは第1回、第2回を連覇したが、直近2大会はいずれもベスト4に終わっている。史上最強と評されるチームは3大会ぶりの優勝を手にすることができるか。米国の地で涙をのんだ先輩たちの思いも背負い、総力戦で勝利を奪いに行く。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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