東北、塁上の“ペッパーミル”で物議 審判は注意、指揮官は問題提起「理由知りたい」
佐藤監督、審判の注意に「僕は大反対。野球を楽しむ方法を考えて」
第95回選抜高校野球大会は18日、阪神甲子園球場で開幕した。大会初日の第1試合で12年ぶりに出場した東北(宮城)は1-3で初戦敗退となった。日本代表の活躍で広まった“ペッパーミルパフォーマンス”を注意される場面があり、物議をかもしている。佐藤洋監督が「これだけ日本中で話題になった。なぜダメなのか理由が知りたい」と語る一方で、日本高野連も「不要なパフォーマンスやジェスチャーは謹んで」との立場を明らかにしている。
東北は昨年8月から元巨人の佐藤洋氏が監督に就任。丸刈りをやめ、選手には“自立・自律”を求め、エンジョイベースボールで同校を12年ぶりの選抜出場に導いた。試合に敗れはしたが指揮官は「野球を子どもたちに返す、というのがテーマだった。選手はいつも通り楽しんでいた。そういった意味では少しは子どもたちに野球を返せたかなと思う」と、ナインを称えた。
試合中には、日本代表のヌートバーが出塁した時に披露する“ペッパーミルパフォーマンス”を1番・金子和志二塁手が塁上で見せたが、すぐさま一塁塁審から「パフォーマンスはダメです」と注意があったという。
これを受け佐藤監督は「案の定ストップがかかった。なんでこんなことで子どもたちが楽しんでいる野球を大人が止めるのかなと。ちょっと思いましたね。日本中が盛り上がっているパフォーマンスを審判の方から注意される。ぜひ、書いてください。私の方に火の粉が飛んでもいい。僕は大反対。もう少し子どもたちに自由に野球を楽しむ方法を考えてほしい」と訴えた。
一方、日本高野連もすぐに声明を発表。「高校野球としては、不要なパフォーマンスやジェスチャーは、従来より慎むようお願いしてきました。試合を楽しみたいという選手の気持ちは理解できますが、プレーで楽しんでほしい」としている。敵失で塁を得た際にパフォーマンスを行ったことが、学生野球憲章にある「フェアプレーの精神」に触れたという考え方もできる。