屋上で寝た名投手、夜な夜な“放水”も 珍事頻発…壮絶だったプロ野球の寮生活

1975年初Vの頃に東京遠征では1人部屋に「うれしかった」

「(1975年の)初優勝するくらいから、先発ピッチャーだけ登板前日はどこかのホテルで寝るようになりましたね。涼しいところでね。そういうこともありましたね。でも野手はなかったですよ」

 寮の2人部屋も苦にならなかったわけではないが「あの頃は遠征先も4人部屋とか、5、6人の大部屋。旅館で2人部屋だったらもう最高でしたからね。昔はそれが当たり前でしたしね」と振り返る。「それも初優勝のころから東京遠征では1人部屋になったんですよ。狭くて、隣の部屋のテレビの音もガンガン聞こえてましたけど、あれはうれしかったですね」と、思い出しながら、また笑みをこぼした。

 現在の大野寮について「そりゃあ、最高ですよ。個室でエアコンはついているし、食事もいいしね」と声を大にする。時代が変化しているのだから、それは当然のことだろう。今の選手にとってはそれが当たり前のことであり、昔と今を比べることはできるはずもない。でも、過去にそんな大変な時代があったのもまた事実。今の選手たちは練習環境も含めて、どれだけ恵まれているかを理解するためにも、そんな昔を知っておく必要はあるかもしれない。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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