山田哲人は「どう生き延びるか」 球団OBが勧める“イメチェン”…手本になるレジェンド
ポイントはマクガフの穴…「抑えは決めたい」
今年31歳を迎える山田。通算190盗塁を誇るが、直近の3年間の盗塁数は8、4、10。昨季の本塁打は23本だった。トリプルスリー3度の実績から考えると、やや物足りない。「足が衰えて走れなくなってくると、打球も飛ばなくなる。長距離打者というのは、ホームランの魔力が抜けきれないことが多い。現役を長く続けるには、過去の自分を捨てなければいけない時期が来ます。どうやって生き延びていくか、イメージチェンジを考える時期かもしれません」。
飯田氏は、現在のヤクルトの2軍監督を務める池山隆寛氏を“お手本”にあげる。「ブンブン丸」と呼ばれた程のフルスイングが代名詞で一発が魅力だったが、年齢を重ねてプレースタイルが変わった。「池山さんは、ブンブンが減りました。追い込まれてからの対応とかも。今の山田と丁度同じぐらいの年だったんじゃないかな」。
中村悠平捕手はWBC決勝でダルビッシュ有、大谷翔平ら7投手をリードした。若き左腕の高橋奎二は1試合登板で2回を無失点に抑えた。「中村は安定感がある。ベテランの域に入ってきて自信もあるでしょう。奎二は代表選手たちと過ごせていろいろな話が聞けて、プラスしかない。1年間ローテを守れば十分な成績を残してくれるはず。結果を出せば、来年以降エースと呼んでもらえる資格は持っています」と評価する。
3連覇へ課題は何か。「後ろがね。誰でいくんでしょうね」。守護神だったスコット・マクガフがダイヤモンドバックスへ。メジャー通算28セーブの新外国人キーオン・ケラ、セットアッパーとしてフル回転してきた清水昇ら救援陣は多士済々だが。「抑えは決めたい。形がはっきりしていないのが不安です」。それでも、「投手の使い方が上手ですから」と高津臣吾監督の手腕に注目する。
飯田氏は、今季のセの優勝争いは混戦模様と感じている。「各チーム決め手がなく、ずば抜けているチームがない。本当にわからない」。その中でヤクルトの強みを「経験値は一番ある。どうやったら勝てるのかを知っている」と指摘する。野村克也監督時代も達成できなかった3連覇を実現できるか。注目の戦いがもうすぐ始まる。
(西村大輔 / Taisuke Nishimura)