世界身体障害者野球大会が9月に名古屋で開催 “もう1つのWBC”に5チーム参加

障害に合わせたルールづくりで世界でも競技人口が増えつつある身体障害者野球
障害に合わせたルールづくりで世界でも競技人口が増えつつある身体障害者野球

2006年に日本の発案で初開催、今回で5回目

 日本身体障害者野球連盟は9月9、10日の2日間にわたり、中日の本拠地・バンテリンドームで「第5回世界身体障害者野球大会(WORLD DREAM BASEBALL 2023)」が開催されると発表した。日本を代表する15選手が、2018年の前回大会に続く4度目の世界一を目指して戦う。

 野球日本代表「侍ジャパン」が第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で劇的な優勝を飾った今年、9月に名古屋で“もう1つのWBC”と呼ばれる世界大会が開催される。世界身体障害者野球大会は2006年、その年に初代WBC王者となった日本の発案で誕生した大会で、4年ごとに開催されてきた。本来であれば2022年に開催される予定だったが、コロナ禍の影響により1年延期され、再び本家WBCと同年に行われる。

 日本で身体障害者野球が誕生したきっかけは、通算1065盗塁を誇る元阪急の福本豊氏(日本身体障害者野球連盟名誉理事長)にある。ルーキー時から神戸市内の肢体不自由者医療施設を毎年訪問し、そこで交流を深めた岩崎廣司氏と1981年に神戸コスモスというチームを結成した。そこから徐々に競技者が増え、現在は日本全国に38チームがあり、約950人が障害者野球を楽しんでいる。

 5回目を数える今回は、2018年の前回大会に続き、韓国、台湾、米国、プエルトリコ、日本の5チームが参加。日本代表はすでにメンバー選考を終え、15人が選ばれた。代表監督を務める山内啓一郎氏は「WBCでは栗山監督率いる侍ジャパンが素晴らしい戦いで優勝を果たし、感動をいただきました。この流れに乗り、“もう1つのWBC”と呼ばれるWORLD DREAM BASEBALLにおいても、日本代表が一丸となり優勝を目指して頑張ります」と意気込む。

 また、山内監督は「大会を通じて、障害を持つ世界中の人々をはじめ健常者の方々におきましても、スポーツの素晴らしさや参加することの楽しさを再認識していただく機会になればと思います」と多様性が当たり前となる社会づくりの一助になることも期待している。

 今後は7月に福島で代表合宿を行い、9月の本番に向けてチーム力を高めていく。侍ジャパンの世界一奪還を後押しに、身体障害者野球でも連覇を目指す。

(Full-Count編集部)

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