圧倒的投手力のオリか、侍ジャパン級破壊力のソフトバンクか 2強の運命分ける“気概”

西武を下位予想した理由…「ポスト森の正捕手一本立ち」がどうなる?

 3・4位争いは、長年の懸案だった右打者不足の解消にメドが立った楽天が一歩リードか。昨年までの楽天打線は極端に左打者の割合が高かったが、今年のオープン戦ではメジャー通算130本塁打のマイケル・フランコ内野手、オフのトレードで中日から移籍した阿部寿樹内野手、昨季途中のトレードでDeNAから加入し進境著しい伊藤裕季也内野手ら、新顔の右打者が存在を大いにアピールした。野口氏は「昨年のように、チャンスで判で押したように左のリリーフ投手をぶつけられることはなくなるでしょう」とうなずく。

 ロッテは、種市篤暉投手と岩下大輝投手が、ともに右肘手術から先発要員として本格的に復帰できそうなのが好材料。4年目を迎えた佐々木朗希投手がコンスタントに中6日で先発できるようなら、それだけで大幅に戦力アップだろう。さらに野口氏は「右の大砲の山口航輝(昨季打率.237、16本塁打、57打点)に、本格化の匂いがプンプンしています」と推している。ただし「山口だけでは、打線としてまだ物足りない。安田、藤原らにもひと皮むけてほしいところです」とも付け加えた。

 松井稼頭央新監督率いる西武は5位予想。強打の正捕手だった森友哉がオリックスへFA移籍した穴は、攻守において大きい。野口氏は「柘植、古賀らが正捕手の座を争うのでしょうが、一本立ちには時間がかかりそうです。高橋光成ら実績のある投手には、逆に捕手をリードし教育するつもりでやってほしい」と注文を付ける。投手陣では、セットアッパーから先発に転向した平良海馬投手が、オープン戦4試合17イニング無失点と結果を出したが、「平良が抜けたリリーフ陣の方が心配。守護神の増田は、年齢的にも全盛期に比べるとパワーダウンが否めない」と懸念する。

 新庄剛志監督率いる日本ハムは、残念ながら2年連続最下位予想だ。野口氏は「万波、今川、ドラフト1位ルーキーの矢澤、野村ら有望な若手がいて、数年後が非常に楽しみ。今年に関しても、昨年ほど相手にとって簡単なチームではなくなった」と評しつつ、「順位を上げるに至るのは、まだ今年ではないと思う」という見解を示す。

 昨年は全試合終了時点で、オリックスとソフトバンクが76勝65敗2分で並び、直接対決の対戦成績(15勝10敗)によってオリックスに軍配が上がったパ・リーグ。今年も劇的な展開を期待できそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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