日本でも大流行の“胡椒挽きパフォ” ヌートバーが開幕戦でやらなかったワケ

母・久美子さんも感謝「チームメートに恵まれていると思います」

 地元記者に聞くと、そもそもペッパーミル・パフォーマンスは、キズナーが音頭を取り始めたもので、昨年の夏場に失速した頃、チームにコショウなどを挽くという動詞「grind」が持つ別の意味「コツコツと粘り強くやる」とをマッチングさせた動きだという。チーム一丸となって勝利を目指そうというメッセージが込められたパフォーマンスの発案者が次なるものを考えているとなれば、ヌートバーが“新型”を待つ気持ちになるのも自然なことである。

 この日、ヌートバーの母・久美子さんと父・チャーリーさんが観戦に訪れていた。試合前に取材に応じてくれた久美子さんは、我が子を温かく迎え入れてくれた栗山英樹監督以下侍ジャパンのチームメートたちとの話にずっと興味が尽きなかったと明かす。一方で、レギュラー定着を目指すカージナルスでの3年目についても明るく紡いだ。

「侍ジャパンでもみんな仲がよかったけれど、カージナルスもみんな仲がいいので。チームメートに本当に恵まれていると思います。それはありがたいです」

 WBC全7試合でリードオフマンを務め守備でのガッツあふれるプレーで日本中のファンの心をつかんだヌートバーのお馴染みのパフォーマンスが今後も続くのかどうかは現時点でわからない。しかし、侍ジャパンと同じように、勝利に向けチーム一丸となる雰囲気に満ちあふれているカージナルスでラーズ・テイラー=タツジ・ヌートバーの”grind”する姿勢がブレないのは確なこと。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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