大谷翔平、初の“新ルール違反”に見る順応性 フォーム変更も示唆した二刀流の本質

マリナーズ戦に先発したエンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
マリナーズ戦に先発したエンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

投打でピッチクロック違反も「今日はまた新たな発見」「随時対応していきたい」

■エンゼルス 4ー3 マリナーズ(日本時間6日・シアトル)

 エンゼルスの大谷翔平投手は5日(日本時間6日)、敵地のマリナーズ戦で今季初勝利を挙げた。「3番・投手」で投打同時出場し、6回6四死球も3安打1失点と粘投。バットでは7回に左翼線適時打を放ち、チームを2カード連続の勝ち越しへ導いた。投打でのピッチクロック違反に二刀流男の本質が見えた。

 初のピッチクロック違反。先制を許した直後の初回1死二塁で1ボールを加算された大谷は、イニング終わりに球審の元へ向かった。水原一平通訳のサポートを得てルールを確認。「昨年できていたことができなくなっている。次回以降は対応しながらやりたいなと思います。今日はまた新たな発見というか、それがあったので、随時対応していきたい」。失敗に動じるどころか学びの機会に変えようとしていた。

 今季から導入された投球間の時間制限「ピッチクロック」は試合時間の短縮を目的に作られた。ただ、大谷が今回違反を取られたのは、打者が構える前に投球を始動したからだという。走者ありの場合、投球間の時間制限は20秒。ネビン監督によると、球審からは「打者が準備できていないのにも関わらず、残り14、15秒で投球動作に入ってはいけない」と説明を受けたという。

 セットポジションではどこからが投球動作の始動となるのかも分かりにくい。試合後、大谷は球審の元に出向いてルールを再確認。「横を向いているからセットになるのか、どの角度がセットじゃないのかとか。話した感じ審判の方もちょっとグレーゾーンみたいな感じだった。ルールが始まって間もないですし、お互いにここまではセーフだよね、アウトだよねということを確認してきた感じですかね」と明かした。

 メジャーにはピッチクロックの“抜け道”を使おうとする投手もいたという。ネビン監督は「ルールが適用されたとき、(何人かの投手は)ルールを有利に活用しようとクイックピッチを始めた。スプリングトレーニングでシャーザーが実践した。でも、審判はそれを排除しようとしている」。これも新たにできたルールだからこそ“問題”か。セットポジションからの投球は不明瞭な部分が多いのか、大谷は「じゃあワインドアップで投げる」とネビン監督に投球フォーム変更も示唆したという。

 逆境や窮地に立たされた時に人の真価が問われると言われる。大谷は打者でもピッチクロック違反を取られ、「あれは単純に遅かったというか、走者を待っていたので僕が(打席に)入るのが遅れた。逆に僕が四球を取った時とかは、ある程度、早く塁にいかないと次の打者に迷惑がかかるという感じですね」と、打者としての違反も走者としての学びに変えた。

 投打の圧倒的な能力だけではない。ネビン監督は「オオタニは特別な才能を持っているし、誰よりも修正能力もある」とも言った。「1」から「10」を学んでしまう二刀流の真骨頂を見た気がした。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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