大谷翔平の“2cm”に見えたリーダーの資質 メキシコ監督に残る敗戦の清々しさ「幸運だ」

メキシコ戦の1点を追う9回に右中間二塁打で出塁した侍ジャパン・大谷翔平【写真:Getty Images】
メキシコ戦の1点を追う9回に右中間二塁打で出塁した侍ジャパン・大谷翔平【写真:Getty Images】

「憧れるのをやめましょう」WBCメキシコ監督だったエ軍ギルコーチも感動

 エンゼルス・大谷翔平投手は2023年シーズンも好スタートを切った。投手では1勝0敗、防御率0.75。打者では打率.306、3本塁打、8打点と好成績を残している。悲願のポストシーズン進出を目指す今季、チームから期待されているのは投打だけでない。WBCメキシコ代表監督だったベンジー・ギル一塁コーチは大会中にリーダーの資質を見たようだ。

 ギルコーチといえば、侍ジャパンとのWBC準決勝での激闘後に発した「日本が勝った。しかし、今夜の試合は世界そのものの勝利だ」との名言が話題になった。そんなコメント力を持つギルコーチにも、大谷がWBC決勝・米国戦の試合前ミーティングで話した「憧れるのをやめましょう」は強烈なインパクトが残ったという。

「日本が米国を破った後、ショウがクラブハウスでスピーチをしたことを全員が知ることになった。彼のリーダーシップを表したシーンだと思う。情熱的で、頭が良い。少しだけ言葉の壁があるということをチーム全員が理解しているが、エンゼルスでもこのようなシーンを目撃することが多くなるだろう」

 WBC準決勝・メキシコ戦の1点を追う9回、大谷は右中間二塁打で出塁した。メジャー屈指のパワーヒッターだが、その場面はバットのグリップエンドに指1本分ほど余らせて短く持っていた。わずか2センチほどの違い。ギルコーチも気づいていたという。

「賢くて、競争心もある。世界最高の選手が、何よりも勝利を重要視していることは素晴らしいことだ。お金やホームランを打つことは重要なことだと思うが、最も大事なことは勝つことだ。ショウもそう思っている」

WBCメキシコ監督は続投&侍ジャパンとの再戦に意欲「実現するといい」

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