5盗塁&成功率100%でも「中の上程度」 “走魂”西武が敗戦の中で見せた強み

平石ヘッド「勝負をかける時に思い切って送り出せる」

 平石洋介ヘッドコーチは「あの場面では、単純に足の速いやつを選びました」と説明。松井監督は「外野の間を抜ければ、侑司のスピードなら一塁からホームまで還ってこられるかもしれないですから」とうなずき、「あの場面で侑司が控えているのは大きいですし、他にもまだ、西川(愛也外野手)も児玉(亮涼内野手)もいますから。試合の終盤に勝負をかける時に、思い切って選手を送り出せますし、選手たちもしっかり準備をしてくれています」と笑みを浮かべた。

 ちなみに鈴木は昨季、年間5度走って4度刺された(成功率20%)が、今季は体重を約10キロ減量。「昨年は最大で87キロありましたが、今年はいったん77キロまで落とし、今は78キロ。昨年の後半、打撃でこれまで100%か120%の力でフルスイングしていたのを、8割のスイングでコンタクトすればいいと考え直したことがきっかけでした。体重を絞った分、単純に足が動いていることも盗塁が増えている理由の1つだと思います」と語る。

 この試合は結局、外崎が空振り三振に倒れて0-1のまま敗れたが、松井監督は「負けましたけどね、簡単に終わることなく粘れたと思います」と前向きだった。足の速い選手を分厚くそろえ、縦横無尽に起用する態勢を整えているところに、今季の西武の凄みを垣間見せた。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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