吉田正尚は「だから最高額の契約」 納得の大物代理人…次なる狙いは「NPBに4人いる」

ブレーブス戦に出場したレッドソックス・吉田正尚【写真:Getty Images】
ブレーブス戦に出場したレッドソックス・吉田正尚【写真:Getty Images】

敏腕代理人ボラス氏、NPBに気になる選手は「最大で4人いる」

 レッドソックスの吉田正尚外野手がア・リーグの週間MVPを受賞したことが8日(日本時間9日)、発表された。9日(同10日)のブレーブス戦は、5月初の空振りと三振を喫するなど5打数無安打で連続試合安打数は「16」でストップしたが、いまだ打率.308と3割台をキープしている。代理人を務めるスコット・ボラス氏はこの活躍を「彼ならここで大成功すると思っていた。だからこそ、日本人野手最高額の契約を手にしたのだろう」と納得するように頷いた。

 序盤の苦悩が嘘のようだ。4月19日(同20日)までは打率.167、出塁率.310、長打率.250、OPS.560と苦戦していたが、翌20日(同21日)以降、今月9日(同10日)に途切れるまで16試合連続安打。先週は6試合に出場し、打率.480、2本塁打、8打点、出塁率.519、長打率.800、OPS1.316という成績を収め、日本人では10人目となる週間MVPを獲得した。この日の第1打席での空振りが“5月初空振り”だというから驚きだ。

 昨年12月、吉田は日本人野手歴代最高額となる5年9000万ドル(約123億9000万円)でレッドソックスと契約した。当時は懐疑的な声が聞かれることもあったが、契約を勝ち取ったボラス氏は「我々は彼のスイングを(契約前から)本当に気に入っていた」と振り返る。期待通りの大活躍に「(成功するのが)事実であると証明しているところ」だと嬉しそうだ。

 今後の具体的な成績について「具体的な数字は言いたくはないが、現時点では30発を優に超える範囲にいるだろう」と太鼓判を押す。そして、今後の活躍の鍵は「強い打球を飛ばす割合と(打者有利な)いい球を捉えること」と提言。「本塁打にはその選手独自のペースというものがある」と焦らずプレーすることを勧めた。

 ボラス氏は昨オフ、ザンダー・ボカーツ内野手とパドレスとの11年総額2億8000万ドル(約384億円)を筆頭にブランドン・ニモ外野手のメッツとの8年総額1億6200万ドル(約221億円)など、数多くの大型契約を手掛けてきた。日本でも吉田以外に松坂大輔氏や今年からアスレチックスに移籍した藤浪晋太郎投手らの代理人も務めている。ボラス氏に次なる狙いを聞くと「機密事項だ」としながらも「(NPBに)最大で4人いる」と明かしてくれた。“第2の吉田正尚”は誰になるのか。敏腕代理人が目を付ける次のNPB戦士も気になるところだ。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY