大谷翔平の才能に敵将が10秒の“沈黙”　球場総立ち特大9号＆5勝目に「見た中で最高の選手」

大谷から3HRの打線を評価「これ以上ないほどいいと思った」

■エンゼルス 9ー5 オリオールズ（日本時間16日・ボルティモア）

　エンゼルスの大谷翔平投手は15日（日本時間16日）、敵地・オリオールズ戦に「3番・投手」で投打同時出場した。打っては決勝の特大9号3ランを含む4安打3打点の大活躍で、投手としては自身ワーストタイの3発を浴びるなど4安打5失点と苦しみながらも5勝目を挙げた。オリオールズのブランドン・ハイド監督は試合後、「うちの打線はこれ以上ないほどいいと思った。あまりヒットは出なかったが、HRが3本出たし」と大谷を苦しめた打線に感慨した。

　オリオールズ打線はこの日、1点リードの2回2死一塁からフレイジャーが右越え2ラン、3-2の3回2死一塁ではサンタンダーがスイーパーをバックスクリーンに運んだ。さらに9-4の5回2死からはマリンズが右中間にこの日3本目となるソロ。指揮官は「彼はこの地球上で最高の選手の一人。私としては、彼から5点を取ったし、HRも何本か打った」と自軍の打線を褒めたたえた。

　奮闘した打線とは裏腹に投手陣は打者・大谷に完敗だった。3回に右前打を打たれ、同点の4回1死一、二塁では右中間へ飛距離456フィート（約139メートル）の特大決勝3ラン。さらに第4打席で右中間への三塁打、残り二塁打でサイクル安打達成となる第6打席では左前打を浴びた。

　試合後、記者からは「孫が生まれたら大谷のことをどう伝える？」という質問が飛んだ。ハイド監督は考え込むように3秒ほど黙りこむと「孫たちに伝えるのは……」と言いかけ、また更に沈黙。その後「分からないな」と苦笑いした。その後も時折考え込みながら、計約10秒ほど沈黙。「うーん、分からない。彼は我々が見た中で最高の選手の一人だ。特別な才能がある。あれだけ才能があって、彼がマウンドと打席でしていることができる選手を見たことがないと思う」と最後は大谷に敬意を示した。

（川村虎大 / Kodai Kawamura）