セ首位の阪神は昨年までとどこが違う? 岡田監督の“目玉改革”…データに現れた劇的変化

阪神・岡田彰布監督【写真:小林靖】
阪神・岡田彰布監督【写真:小林靖】

昨年まで失策数が5年連続ワースト…今季は守備指標でリーグトップの数値

 2023年のプロ野球も約1/4を消化。セ・リーグでは阪神が20勝13敗1分けで、DeNAに1ゲーム差をつけて首位に立っている。その要因の一つが守備力の改善だろう。昨年まで5年連続リーグワーストだった失策数はここまで4番目に少なく、守備の指標ではリーグ1位の評価を得ているのだ。

 阪神の今季失策数は16。最多が中日で27、DeNAが19となっている(最少はヤクルトの14)。昨年まで5年連続で失策数がワーストだったが、15年ぶりに阪神指揮官となった岡田彰布監督が目玉改革としてコンバートに着手した。

 中野拓夢内野手を遊撃から二塁へ。さらに大山悠輔内野手を一塁に、佐藤輝明内野手を三塁に固定した。失策数は佐藤輝がリーグワースト2位の6だが、中野や大山は1。安定した守備を披露している。

 セイバーメトリクスで守備全般の貢献を示す「UZR(ultimate zone rating)」でも昨年までとの違いは鮮明だ。プロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、阪神が4.4でリーグ1位の数値を記録している。ちなみに昨年はリーグワーストの-22.8。劇的に改善されているのが分かる。

 ポジション別でみると、一塁が4.5で断トツ。2位ヤクルトの1.9に大差をつけている。大山の守備が大きく貢献している。二塁は2.2で広島、ヤクルトに次いで3番目。昨年は-13.0で最下位だったから、中野のコンバートが功を奏しているのが分かる。近本光司外野手が守る中堅も3.9でリーグトップだ

 元々、投手力には定評があり、今季もチーム防御率は2.67で中日に次いで2位。守備の綻びが少なくなったこともあり、失点もリーグ最少の98だ。昨年までの大きな弱点が解消されつつある阪神。18年ぶりの優勝へ視界良好と言えそうだ。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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