驚異の奪三振率「11.85」 TJ手術から復活…ロッテ種市、好調呼んだ“モデルチェンジ”
課題の制球面も向上…今季は2試合続けて無四球試合も
年度別の指標について見ていきたい。先発投手としては非常に高い水準にある奪三振率が最大の持ち味。2019年に奪三振率10.41という抜群の値を残しただけでなく、通算の数字でも投球回を上回る奪三振数を記録している。さらに、今季は奪三振率11.85とキャリアベストの値を記録しており、故障前を上回るペースで三振を奪っている点も頼もしい限りだ。
その一方で、キャリア通算の与四球率は3.60とやや高く、制球面が課題となっていた。だが、今季は最初の4試合で12個の四球を与えたものの、4月30日と5月9日の登板では、2試合続けて無四球。K/BBも一般的に優秀とされる3.50を上回る水準に到達しており、著しい制球力の向上が見られていることも楽しみな要素となっている。
また「被BABIP」が.306と、平均値とされる.300に近い数字になっている点もポイントだ。被BABIPは本塁打以外のグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合を示す指標で、一般的には投手が制御することは難しく、運の要素が強く絡む指標とされている。
種市の場合も、開幕から好調だった2020年は.277と低い数字であり、運に恵まれていた可能性がある。しかし、今季は2020年の序盤を上回る防御率と被打率を示しながら、BABIPは平均に近い値となっている。すなわち、現在の好投は決して運に恵まれているわけではなく、実力によるものと考えられるということだ。