驚異の奪三振率「11.85」 TJ手術から復活…ロッテ種市、好調呼んだ“モデルチェンジ”

今季は速球の割合が42.4%まで減少、フォークの44.7%が上回る

 続いて2019年、2020年、2023年に記録した、結果球となった球種の割合を紹介しよう。2019年はストレートの割合が54.7%に達し、フォークは26.7%と全体のおよそ1/4程度。スライダーも18.6%と一定以上の割合で投じており、当時から基本的に3つの球種だけで投球を組み立てていたことがわかる。

 2020年もストレートの割合が全体の半分以上を占めており、フォークの割合も前年とほぼ同じ。スライダーの割合が全体の1/5にあたる20%を上回った点と、カットボールが結果球として残っている点が、前年からの主要な変化といえよう。2019年と2020年は似たような配球の傾向を示していたが、2023年は上記の2シーズンはいずれも5割を超えていた速球の割合が42.4%まで減少。その一方で、フォークの割合が44.7%と速球よりも大きい割合まで増加している。

 また、スライダーも12.9%まで低下し、カットボールも再びグラフから姿を消した。これらの数字を考えても、今季は従来の速球を中心に組み立てる投球から、フォークを投球の軸とするスタイルに転換していることがわかる。

 その理由の一つとして考えられるのが、今季の球種別被打率だ。速球の被打率.292に対して、フォークの被打率は.161。より痛打される可能性が低いボールを決め球として使うケースを増やしたことは、理に適った判断と言える。このモデルチェンジが、今季の好投を支える要素の一つとなっている可能性はありそうだ。

高めに行く球が減少、真ん中から低めに投じられる割合が増えた

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