NPBから「助っ人大砲」が消えるワケ ニーズも変化…ハムの緊急補強が示す新たな貢献
外国人のスラッガーが日本球界から消えた…求めるものも変化
この原因については、日本の投手のレベルが上がったという声、またメジャーとの年棒差が大きくなり、実力のある選手を来日させるのが難しくなっているという声がある。その結果、助っ人に「3割30本」を期待し、打線の中心に据えるというよりも、別の貢献を求めるケースが増えてきた。今季はオリックスが、メジャーでも屈指のユーティリティ選手だったマーウィン・ゴンザレス内野手を獲得。負傷などによる選手の移動に応じて、様々なポジションを守らせている。
ハンソンは今季、まずBCリーグの茨城に入団した。日本の、しかも独立リーグに行くのは大きな挑戦だった。かつてはパイレーツで有望株と評価され、メジャー4球団で計261試合出場。2018年にはジャイアンツで110試合に出場し、打率.252、8本塁打の成績を残している。
「キャリアをもう少し伸ばしたいと思って、エージェントと話をしていたら、日本でのチャンスがあった。来る前にはとてもポジティブな気持ちでいたよ。NPBに行くものだと思って」と大きな決断の理由を話すが、その夢がたった1か月で叶ったことには「神様に感謝しないといけないね」と笑う。
同僚やファンには「チャマキート」と呼んでほしいという。スペイン語で「ガキ」という意味だ。「(出身地の)ドミニカでの思い出を忘れたくないんだ。今はそのころに比べれば大金を稼いでいるけど、感謝の気持ちを持ち続けたい」。どこでも守れるという特性と、ニーズが呼んだ日本ハム入り。果たしてどんな活躍を見せてくれるだろうか。
(羽鳥慶太 / Keita Hatori)