楽天・松井裕樹は「250セーブの壁」破れるか 過去3人の難関も…指標が表す“進化”

通算与四球率4.18も…今季は2.31と大きく改善している

 松井裕の代名詞ともいえる奪三振の多さは、指標の面においても如実に表れている。先発とリリーフを兼任していたプロ1年目の2014年の時点で、奪三振率は9.78と優秀な水準にあった。2年目の2015年から2022年まで、実に8年連続で奪三振率10.00以上を記録。通算奪三振率は11.83と、まさに圧巻の数字となっている。2022年は14.46、2023年は14.66と近年はさらに奪三振率が向上。その投球がさらに凄みを増していることは、これらの数字からもうかがい知れる。

 一方で、通算の与四球率は4.18とかなり高い数値となっており、制球面は明確な弱点となっていた。それでも、通算の被打率は.187と痛打を浴びるケースは少なく、最終的には相手打線を力でねじ伏せてしまうところに凄みがある。ただし今季は与四球率が2.31と大きく改善を見せており、WHIPも自己ベストの数字を記録している。それに伴い、一般的に3.50を上回れば優秀とされる「K/BB」は、6.33まで向上。今なお進化を続けていることが、こうした指標からも読み取れる。

 200セーブ到達者をみてみると、20代のうちに達成したのは松井裕と山崎康晃投手の2人のみ。裏を返せば、松井裕と山崎を除く多くの投手が、200セーブを達成した時点ですでにベテランの域に差し掛かりつつあったということになる。3番目に若い30歳6カ月で200セーブを記録した佐々木氏がその後も活躍を続け、日米通算381セーブと、ひとつの目安となる250セーブを優に超える数字を残した点は、松井裕にとっても好材料となりそうだ。

 その一方で、藤川球児氏は31歳8カ月で通算200セーブを達成したが、大リーグ挑戦後に故障を経験したこともあり、日米通算245セーブとわずかに大台に届かず。小林雅英氏は32歳2カ月で同記録を達成したものの、2008年の大リーグ挑戦後はわずか7セーブの上積みにとどまった。サファテ氏は7シーズンで229セーブと圧倒的なペースでセーブ数を積み上げ、外国人選手としては史上初の通算250セーブ達成も濃厚と思われていた。しかし、2018年の序盤に股関節を故障し、それ以降は1軍での登板を果たせず。大台まであと16セーブに迫りながら、惜しくも名球会入りは果たせなかった。

オリ平野佳は史上最年長38歳2か月で200S、日米通算250Sなるか

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