楽天・松井裕樹は「250セーブの壁」破れるか 過去3人の難関も…指標が表す“進化”

オリックス・平野佳寿【写真:荒川祐史】
オリックス・平野佳寿【写真:荒川祐史】

オリ平野佳は史上最年長38歳2か月で200S、日米通算250Sなるか

 ただし、ベテランになってから数字を伸ばした投手たちも存在している。高津氏は33歳5カ月で通算200セーブに到達したが、そこから日米通算で113セーブを上積み。NPBでの登板は2007年が最後となったが、その後も韓国や台湾のプロリーグや日本の独立リーグで好投。大ベテランの域に達してからも、その実力を各地で示し続けた。

 岩瀬氏は史上3番目に遅い34歳6カ月での200セーブ到達となったが、それ以降も408試合に登板し、207セーブを記録。大卒社会人でのプロ入りと年齢的には不利だったことを考えれば、43歳まで現役を続け、通算1002試合登板と407セーブという2つのNPB記録を樹立した事実は、まさに驚異的と形容できる。史上最年長となる38歳2カ月で通算200セーブを達成した平野佳寿投手は、その後も守護神として奮闘中。史上最年長で日米通算250セーブを達成する可能性も十二分にあるはずだ。

 抑えはチームの勝敗に直結する役割となるため、失敗が続くと短期間で配置転換されるケースが多い。登板過多の影響による勤続疲労の影響も含めて、250セーブに達するまで抑えの座を守り抜くことは、非常に難しい。その点、松井裕の場合はシーズンごとの波こそあれど、安定してセーブ数を積み上げ続けている点は強みだ。年間60試合以上に登板した回数も2度のみと、登板過多に陥ったシーズンも多くない。さらに、近年における奪三振率と制球力の向上に示されているように、今なお進化を続けている点も見逃せない要素だ。

 今後も守護神の座を守り続け、通算250セーブの大台に到達することができるか。近年のNPBを代表するクローザーといえる存在でもあるだけに、250セーブという数字を通過点とできるような、今後のさらなる活躍にも期待したいところだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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