まだ5月なのに…首位と12.5G差の“絶望事態” 中日の窮状に拍車かけた「5つの誤算」
京田&阿部の主力放出も…内野はコロコロ“日替わり状態”で固定できず
思い切った主力の入れ替えも、現状では実を結んでいない。オフに二遊間のレギュラーを担ってきた京田と阿部を放出。長く続く低迷期からの脱却に向け、思い切って若手起用に舵を切った。しかし、二遊間だけでなく内野陣を固定できずに日替わり状態。チーム失策数は12球団ワーストの「32」を数える。
その二遊間には新人が入ることが予想されていたが、指揮官がキャンプから最も期待していた新星の離脱も痛かった。オープン戦で打率.333と存在感を見せていたドラフト6位ルーキーの田中幹也内野手は3月に右肩を手術。結果的には同2位の村松開人内野手と同7位の福永裕基内野手が代わって台頭する形となったが、就任当初から重視していたセンターラインが固まらなければ、足元もおぼつかない。
過去を振り返れば、打てなくても勝った時代は確かにあった。黄金期を築いた落合博満監督時代の2011年にはリーグワーストの打率.228ながら優勝。本拠地を追い風にした「守り勝つ野球」は強い竜の象徴となった。しかし、今季はそのホームですら勝てないことが何よりの誤算。たとえ守れたとしても、0得点では白星はつかめない。
投手陣は近年リーグ屈指とまで呼ばれるようになり、今季も先発ローテの顔ぶれは充実していたが、投打が噛み合わず。右のエースを担ってほしい柳裕也投手は防御率2.70ながらいまだ未勝利で4敗。1勝の高橋宏斗投手と涌井秀章投手はすでに5敗を喫している。好投しても見殺しとなり、打線がわずかに奮起した時は投手が崩れる……。チグハグが、そのまま借金14に表れている。
このまま若手を使い続けて覚醒を待つしかないのか。我慢の時だと割り切るしかないのか。それとも補強の一手を打つ必要があるのか。ミスタードラゴンズは正念場にいる。
(Full-Count編集部)