天才たちの“異常な感覚”に「僕なんか追いつけない」 当たり前の光景に抱いた危機感

前田智徳氏の練習量に驚嘆「ずっと打っている」

 三村敏之氏が広島の1軍監督だった1994年から1998年、赤ヘル打線はMLBのシンシナティ・レッズ打線になぞらえて「ビッグレッドマシン」と呼ばれた。浅井氏は野村氏や緒方氏、前田智徳氏、金本知憲氏ら、当時の主力選手たちの凄さをよく知っている。

「緒方さんにしたって、スゲー練習していたし、前田なんかもね。キャンプで紅白戦やるじゃないですか。2時間くらい試合するわけですよね。前田とかは紅白戦免除なんですけど、その試合の間、ずっと打っているんですよ。あんな選手が2時間バッティング練習を毎日やっていたら、僕なんか追いつけないですよ」

 金本氏のことでも覚えていることがあるという。「金さんと2軍の時、キャンプの宿舎で同じ部屋だったんですが、ある時『俺、つかんだわ』って言われた時があったんです。ホンマですかって話ですよね。でも次の日、金さんはボコボコ打ったんですよ。ホントそこから打ち出して、1軍に上がっていきました」。これも練習の賜物だ。「金さんは貪欲でしたね。みんなレギュラーになりたいと思ってやっているけど、金さんの思いは誰よりも強かったですね」。

 まさに猛烈な人間の集まりだった。「ホントすごい環境でやらせてもらいましたよ。そんな人たちばっかりですもん。ほっといたら、ずっと練習しているような人たちばかりですよ。そりゃあ、こっちも練習しますよ。だって、練習しなかったら、置いていかれていくだけですから」。ハイレベル軍団と行動をともにすることで、大きな刺激を受けて、浅井氏の技量もアップした。ビッグレッドマシンはそんな選手たちの集合体だった。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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