大谷翔平がヘルメット叩きつけ 故障者続出、よぎる昨年の悪夢「自分にできることを」

マーリンズ戦に出場したエンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
マーリンズ戦に出場したエンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

9回凡退後にヘルメットを叩きつける「勝ち切るなら、やっぱりあの回だった」

■マーリンズ 8ー5 エンゼルス(日本時間28日・アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手は27日(日本時間28日)、本拠地・マーリンズ戦に「3番・投手」で投打同時出場し、6回6安打2失点と好投を見せた。毎回10奪三振で勝利投手の権利を手にしたものの、救援投手が打たれて6勝目はならなかった。バットでは4打数無安打で2試合連続無安打。打率.269となった。チームは延長戦で敗れて2連敗。

 思うようにいかないイライラなのか。4-4で迎えた9回無死一塁。三直に倒れた大谷は、自軍ベンチにヘルメットを叩きつけた。「勝ち切るなら、やっぱりあの回だったかなという。あの回打って、最低限、進塁した形でもう決めるしかなかったとは思います」。言葉の端々に悔しさを滲ませた。

 6回6安打2失点。毎回10Kの奪三振ショーを演じた。シーズン90奪三振で再びリーグトップに立ったが、勝ちにつながらなければ喜べない。「今日に関しては3つ四球を出していますし、そこに関しては出したくない気持ちもありますけど。もったいない気持ちが強いかなと思います」と反省の弁を並べた。チームは延長10回に左翼・モニアックのタイムリーエラー、捕手・サイスが満塁の守備でホームベースを踏めないなどミスを連発した。今季最長3時間33分。どっと疲れが出る延長戦負けとなった。

 悪夢がよぎる。昨年は5月25日(同26日)の本拠地・レンジャーズ戦から球団ワーストを更新する14連敗。5月15日の時点で最大11あった貯金を一気に吐き出し、期間中に二刀流・大谷の良き理解者だったジョー・マドン監督が電撃解任となった。ここ数年は故障者続出と投手陣の崩壊を繰り返し、ポストシーズン争いから脱落してきた。

 4月のチーム防御率3.92はリーグ8位だったが、5月はリーグ13位の4.58と悪化。さらに守護神カルロス・エステベスと共にリリーフの柱だった元ソフトバンクの左腕マット・ムーアが脇腹痛で負傷者リスト入りする。負傷者ではチーム最高年俸3800万ドル(約51億6000万円)のアンソニー・レンドン内野手の復帰は遠くなさそうだが、抑えも務めた左腕ホセ・キハダ、若手有望株ローガン・オハッピーやマックス・スタッシー両捕手ら10人近くが戦線離脱。170キロ右腕ベン・ジョイスら新人は未知数で、いきなり結果を求めるのはあまりにも酷だ。

 現時点で貯金3あるとはいえ、地区首位レンジャーズと6ゲーム差。大谷は「個人的にはやることをやるしかない。自分にできることをまずやっていくというのが、チームに対して一番勝つ確率が上がる作業かなと思います」と繰り返した。今回の10連戦では6月1日(同2日)からアストロズ4連戦が控えている。悲願のポストシーズン進出へ正念場と言えそうだ。

(Full-Count編集部)

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