なぜ源田を5番で起用? 中村が離脱の緊急事態…西武・松井監督が明かす新打順の意図

試行錯誤を続ける松井稼頭央監督(中央)ら西武首脳陣【写真:荒川祐史】
試行錯誤を続ける松井稼頭央監督(中央)ら西武首脳陣【写真:荒川祐史】

平石ヘッド「固定観念にとらわれる必要はない」

 一方、2番にはここ3試合、中村に次ぐ今季チーム2位タイの7本塁打を放ち、犠打と盗塁は0のデビッド・マキノン内野手を起用している。松井監督は「マキノンを2番に置いた時に、チャンスメークやつなぎという意味でゲン(源田)の5番を考えました。今後は打順によって、ゲンが2番や上位に行くことも考えられると思います」と説明する。

 ここ数年の懸案となっている1番も、流動的だ。昨年7月に支配下登録を勝ち取った21歳の長谷川信哉外野手が、今月10日の1軍昇格以降、1番で先発することが多かったが、この日「特例2023」の対象選手として出場選手登録を抹消された。代わりに、愛斗外野手が今季チームで最も多い30試合目の1番に起用された。

 松井監督は「1番は出塁率が高い選手が理想でしょうが、(パンチ力のある)愛斗も相手にとっては嫌でしょうし、長谷川にもいろいろ経験させながら、育てていきたいと思っています」と語る。打順について「試行錯誤しながらやっていきたいと思います」と悩める胸中を垣間見せた。

 平石洋介ヘッドコーチは「チーム事情もありますし、打順に“これが正解”という形はなかなかない」とした上で、「5番は長打力がなければいけない、という固定観念にとらわれる必要はないと思いますし、必ずしも毎試合打順を固定するのがいいとも限らないと思います」と言う。

 確かに、メジャーリーグではエンゼルスのマイク・トラウト外野手、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手といった名だたるスラッガーが2番を務め、日本でもいまや2番は、送りバントの名手の聖域ではない。苦境の中から、周囲をあっと驚かせるような新機軸の打順が編み出されないとも限らない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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