DeNAが見据える球団の在り方 異例の欧州視察で得た“スポーツと地域”の可能性

欧州視察を行ったDeNAの組織・人材開発部【写真提供:住田ワタリ】
欧州視察を行ったDeNAの組織・人材開発部【写真提供:住田ワタリ】

昨年11月に誕生した「組織・人材開発部」が欧州の6クラブ2団体を訪問

 横浜DeNAベイスターズには、昨年11月に「組織・人材開発部」という部署が誕生した。選手、コーチ、チームスタッフがより働きやすい環境、外部との接点をつくることに取り組む中、異例ともいえる“欧州視察”が実現した。

 4月24日から5月6日まで、同部の山根成友部長、チームディベロップメントコーディネーターの永田敏也氏と住田ワタリ氏が海を渡った。住田氏は「以前から、人材育成に関して欧州のサッカークラブが凄く力を入れているというのはリサーチしていて、ずっと温めていたプランでした。コロナ禍などありましたが、ようやく実現しました」と経緯を明かした。

 スペインのビジャレアルCF、プレミアリーグのロンドンオフィス、ベルギーの2部KMSKデインズ、RSCアンデルレヒト、アーセナル、クイーンズパークレンジャーズ、ウェールズサッカー協会、フランスのASモナコと6クラブ2団体を訪問。全て、人材育成についてのディスカッションを行った。「我々のプログラムを発展させるためのインプットも欲しかったですし、世界のプロスポーツチームが人材育成をどのように考えているのか、どういうビジョンを持っているのか知りたかったんです」と住田氏は言う。

 中でもメインとして時間を割いたのがビジャレアルだった。そこには多くの共感、インスピレーションを受けた部分があったという。

 まずは地域課題に本気で取り組むクラブの在り方。週2回、ファンクショナル・ダイバーシティ(機能的多様性)と呼ぶクラスを設けている。このクラスに参加する全ての選手は脳機能に何らかの損傷を負っている。地域課題の1つでもあるインクルージョンへの取り組みは、サッカーをする機会を提供しているだけではなく、彼らが社会と繋がり発展していく役割を担っている。

住田氏が描く今後…他業種や地域との接点づくりの「ヒントもらった」

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