中日20歳の剛腕が陥った“悲劇” 2失点でもう勝てぬ…リーグ最低、衝撃の「援護率」

中日・高橋宏斗【写真:荒川祐史】
中日・高橋宏斗【写真:荒川祐史】

好投報われぬ高橋宏斗…9イニング当たりの援護がわずか「1.23」点

 中日の20歳、高橋宏斗投手がここまで1勝6敗と勝ち星を伸ばせずにいる。5月28日にバンテリンドームで行われたDeNA戦では、6回を自責0に抑えながら、味方の失策も絡んで3失点し0-3で敗れた。ここまで勝てない理由として浮上するのが、異常なまでの援護のなさだ。先発が予告されている4日のオリックス戦(バンテリンドーム)はどのような結果になるか。

 高橋宏は今季8試合に登板し防御率2.86。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本代表「侍ジャパン」の一員として活躍したように、実力は折り紙付きだ。直球の平均球速は153.7キロを誇り、30イニング以上を投げたセ・リーグの投手ではトップ。2位はロベルト・コルニエル投手(広島)の152.3キロで、助っ人級の球威を誇る剛腕と言っていい。

 それが4月6日のヤクルト戦で今季初登板し、初勝利を挙げたのを最後に6連敗中だ。登板中の援護点が8試合で6点しかなく、うち3点は初勝利の試合でのもの。9イニング当たりの援護点を示す「RS/9」にすると1.23にしかならない。セイバーメトリクスの観点から野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照すると、これは30イニング以上投げたセ・リーグ投手中ワーストだ。

 今季はパ・リーグの投高打低が目立ち、12球団ワーストはエンス(西武)の1.08。高橋宏が2位で、3位以降は隅田(西武)の1.60とパの投手が並ぶ。中日は交流戦に入ってから3勝2敗と勝ち越しており、平均得点も4.2点。今度こそ若き右腕を援護し、白星をつけられるだろうか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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