なぜ“猛虎打線”は復活したのか 佐藤輝&大山がTOP2に…突出した「勝負強さ」

阪神・大山悠輔(左)と佐藤輝明【写真:小林靖】
阪神・大山悠輔(左)と佐藤輝明【写真:小林靖】

大山はセイバー指標の「WPA」で断トツ…「Clutch」は佐藤輝と1、2位

 セ・リーグの首位を快走する阪神。強力投手陣がクローズアップされることが多いが、打線の奮闘も見逃せない。チーム打率はDeNAや巨人に劣るが、効果的に得点を積み重ねている。セイバーメトリクスの指標によると、大山悠輔内野手ら主力の勝負強さが秀でていることが分かる。

 セイバーメトリクスの指標の一つである「WPA」は、選手がどれだけ勝利期待値を増減させたかによって貢献度を評価するもので、勝敗の分かれ目となる重要な局面での結果がより高く評価される。この「WPA」で12球団トップにランクされているのが大山だ。

 セイバーメトリクスの観点から野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、4日時点で大山の「WPA」は12球団トップの2.86。2位の広島・秋山翔吾外野手の2.23に大差をつけている。

 開幕から4番を任される主砲は4日のロッテ戦(甲子園)でも佐々木朗希投手から値千金の適時打を放った。打点数でもリーグ上位につけており、チームの躍進に大山が大きく寄与していることが分かる。

 また、「Clutch」という指標は、通常と比べて重要な局面でどれだけ働いたかを示す。この指標でも阪神勢が上位を占め、1位が佐藤輝明内野手の1.04、2位が大山の0.98。さらに木浪聖也内野手が0.73で3位につけている。

 得点圏打率では近本光司外野手が4割を超える数字を残し、中野拓夢内野手や大山も上位にいる。ここぞという場面で真価を発揮する今季の阪神野手陣。強いのもうなずける。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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