山本由伸が「泣きそうになった記憶」 解説席の能見氏に届ける“成長”の112球

オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

山本由伸が能見篤史氏の前で快投を披露

■オリックス 2ー0 阪神(13日・甲子園)

 聖地で躍動するエースは、輝きを増した。オリックスの山本由伸投手は13日、敵地の甲子園で阪神戦に先発登板。8回2安打無失点で今季6勝目をマークした。無数のフラッシュライトを浴びる背番号18は左手をパッと広げ、右手人差し指を添えて「6」を作って照れた。

 関西圏で注目を集めるダービー初戦を白星で飾った。解説席には昨年まで“同僚”として同じユニホームを着た能見篤史氏が熱戦の行方を追っていた。山本は、能見氏の引退試合が脳裏から離れない。

 昨年9月30日のロッテ戦。本拠地の京セラドームは満席だった。連覇を狙う中、能見氏は2-2の8回にマウンドへ登場し、オール直球勝負で安田から空振り三振を奪った。拍手喝采の光景を、山本は忘れない。

「ちょっと泣きそうになった記憶があります。あの4球、すごく素敵でした。僕は『お疲れ様でした!』と言ったんですけど、能見さんは冷静に『お〜! 疲れたよ!』といつもの感じだった。引退試合での真剣勝負に、感動しましたね」

 コーチを兼任していた20歳差の“先輩”のスタイルに憧れた。「一緒に走っても全然、40歳を超えているとは思えませんでした。若い選手と競走しても、能見さんが勝つときもある。スラっとされてますし、かっこいいなぁ……って」

エース右腕の心意気は「怪我なく、1日1日を頑張れたらな」

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