23歳大砲は何が変わった? “課題”が10%劇的変化…データが裏付ける急成長

日本ハム・万波中正【写真:矢口亨】
日本ハム・万波中正【写真:矢口亨】

ここまでリーグトップの13本塁打を記録

 日本ハムの万波中正外野手は、19日のDeNA戦で決勝弾を放つなど、本塁打13本でリーグトップを走っている。すでに昨季記録した14本にあと1本と迫っており、2年連続でキャリアハイを更新することになりそうだ。若き主砲の変化を、データから紐解いていく。

 セイバーメトリクスの観点から野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、今季はボール球に手を出す割合が大幅に改善されている。ボール球をスイングする0-Swing%は、昨季両リーグワースト3位(300打席以上)の42.8%だったが、今季は33.8%に減少。低い数値とは言えないものの、改善が見られている。四球数を見ると、昨年は314打席で12だったのが、今季はここまで255打席で昨年を上回る17となっている。

 スイングしたのち、空振りした割合を示すWhiff率は41.1%から28.3%と改善。確実性も向上した。コース別のAVG/AB(打率)を見ると、ストライクゾーンを9分割した内角真ん中、内角高めの打率が向上。特に内角高めは昨年27球で.000だったのが、今季は打率.400と対応できるようになっている。外角高めは前年に続いて打率2割台と苦手としているものの、真ん中高めの打率は.300から.333に向上。全体的に高めへの対応力が上がっている。

 直球への強さを示すwFAでは、2021年の-7.7、昨季の-1.3からプラスとなり、6.6を記録。12日のDeNA戦では、バウアーの高め154キロを本塁打にするなど、直球にも強くなっている。日本ハムから本塁打王が生まれれば、2016年のレアード以来7年ぶりとなる。新庄政権となり、昨季はチームは最下位も、松本剛外野手が首位打者を獲得。今季は23歳の新星が、タイトル獲得となるか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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