失速阪神のキーマンは20歳大砲 専門家も太鼓判「3番固定はあり」…混セ抜け出す球団は

DeNAのトレバー・バウアー【写真:荒川祐史】
DeNAのトレバー・バウアー【写真:荒川祐史】

バウアー本領発揮で追い上げるDeNA 巨人は4~6人目の先発が鍵

 追うDeNAは、トレバー・バウアー投手が実力を発揮しはじめた。「1軍で投げ始めた当初は、球種によって投球フォームに癖が表れていましたが、最近はそれも修正されています。ストレートにスピードガン表示以上のキレがあり、だからこそ、多彩な変化球も生きる」と野口氏。6月に入ってからは3戦3勝で「今後、彼1人でかなり貯金を稼ぐかもしれない」と注目する。

 3位の巨人は、戸郷翔征投手がハーラートップの8勝で牽引してきたが、右肘の張りで出遅れていた菅野智之投手も交流戦期間中にようやく先発ローテに復帰。左腕フォスター・グリフィン投手も4勝3敗、防御率2.53と安定している。野口氏は「首位を狙えるかどうかは、4~6人目の先発が鍵になる」と指摘する。山崎伊織投手、ヨアンデル・メンデス投手らの存在がクローズアップされることになるか。

 4位の広島は、「大瀬良(大地投手)は決して好調と言えない(2勝5敗、防御率3.42)。けれど、床田(寛樹投手)、九里(亜蓮投手)、森下(暢仁投手)と先発の駒はそろっている。このチームはリリーフ陣の奮闘次第でしょう」と野口氏。5月から不振の栗林良吏投手に代わり、矢崎拓也投手がクローザーを務めている。

 一方、2年連続リーグ覇者のヤクルトは、主砲の村上宗隆内野手のバットに火がつかないまま、阪神とは14.5ゲーム、4位・広島とも8.5ゲームの大差がついた。中日も浮上のきっかけをつかめないでいる。にわかに上位4チームに混戦ムードが漂い始めたセ・リーグだが、ペナントレースの行方はまだまだ先が見えない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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