たった52試合で“6年分のHR”放った大覚醒 貧打中日の救世主が向かう13年ぶりの壁突破
細川は5月13日に今季1号→月間MVP受賞と躍進を遂げる
■中日 3ー1 ヤクルト(24日・バンテリンドーム)
“未完の大器”の躍動が止まらない。中日の細川成也外野手は24日、本拠地・バンテリンドームで行われたヤクルト戦に「4番・右翼」で先発すると、初回に同点タイムリー二塁打を放って勝利に貢献。打率.316はリーグ4位、二塁打20本はセ最多、OPS.917も3位と球界有数の強打者として打棒を振るっている。
細川は確実性だけでなく、かねてより期待されてきたパワーでの躍動も筆舌に尽くしがたい。今季はすでに9本塁打。両リーグワーストの本塁打数(29本)に沈む中日打線を救っている。さらに注目したいのが、「本塁打ペース」だ。
2017年にDeNAで1軍デビューした細川は、史上61人目の初打席初本塁打を記録。続く試合でも一発を放つ鮮烈デビューを飾り、次代の“ハマの大砲”として脚光を浴びた。しかし2018年以降は1軍での出場機会が激減。2軍では2020年に最多本塁打、打点、最高出塁率のタイトルを獲得するなど実力を発揮してきたものの、レギュラーの座を奪うことができず、昨オフに現役ドラフトで中日に移籍した。
DeNAでは在籍6年で123試合に出場し、計6本塁打。中日加入後も最初の30試合は快音が聞かれなかったが、5月13日のヤクルト戦で1号を放つと一気に勢いが加速する。27日の本拠地・DeNA戦ではサイ・ヤング賞投手のトレバー・バウアーから自身初となる1試合2発の大暴れ。6月8日の西武戦で6号を放ち、わずか3か月、たった52試合でDeNA時代の通算本数に並んでみせた。
6月13日のロッテ戦で7号を放って“自己記録”を更新。24日時点でチームトップの9本をマークし、不動の4番として中日打線に欠かせない存在になっている。中日の打者では、2018年のダヤン・ビシエド(26本)を最後に4シーズンにわたって20本塁打を超えた選手がいない。日本人選手に限れば、2010年の和田一浩(37本)、森野将彦(22本)まで遡る。
“ハマの大砲候補”から“ナゴヤの大砲”へ――。待望の和製スラッガーとしてどこまで本塁打数を伸ばすことができるだろうか。
(Full-Count編集部)