「救世主になってくれれば」 いきなり初球弾…原監督が“助っ人1番起用”に込めた思い

先頭打者本塁打を放った巨人のルイス・ブリンソン【写真:小林靖】
先頭打者本塁打を放った巨人のルイス・ブリンソン【写真:小林靖】

「1番バッターというのがウチの課題ではある」

■巨人 2ー2 阪神(2日・東京ドーム)

 上昇のきっかけとなるか。セ・リーグ4位の巨人は2日、本拠地・東京ドームで首位の阪神と延長12回の末に2-2で引き分け、この3連戦を1勝1敗1分で終えた。来日1年目で初めて1番で起用されたルイス・ブリンソン外野手が、いきなり初回先頭打者初球本塁打を放ち、来日初盗塁も決めて躍動した。

 迷いなく振りぬいた。ブリンソンは阪神先発・才木浩人投手が初球に投じた真ん中外寄りの149キロ速球を一閃。打球は右翼フェンスをギリギリ越え、先制6号ソロとなった。初めてリードオフマンを任せた原辰徳監督は「積極性が出ていたし、いいですね!」とうなずいた。

 3回2死走者なしで迎えた第2打席では、初球の115キロのカーブを豪快に空振りしたものの、その後低めのフォークを丁寧に見極め、四球で出塁。次打者・丸佳浩外野手の初球にスタートを切り、二塁ベースへ頭から滑り込んで初盗塁をもぎ取った。結局丸がカウント3-0から二ゴロに倒れ、チャンスは生かされなかったが、新たな得点パターンが見えたシーンだった。

「1番バッターというのがウチの課題ではある。(坂本)勇人で固まりつつあったところで、彼(ブリンソン)が救世主になってくれればいいですね」。原監督はそう胸の内を明かす。6月18日のオリックス戦から同23日の広島戦までの11試合中、10試合で1番を務めたのが坂本で、この打順では打率.316(38打数12安打)、出塁率.381を誇った。ところが右太もも裏を痛め、同24日に出場選手登録を抹消されたのだった。

オコエ瑠偉を皮切り…今季は10人が務めてきた「1番打者」

 もともと今季の開幕1番には、現役ドラフトで楽天から獲得したオコエ瑠偉外野手が抜てきされ、これまでに10人が1番を務めてきた。坂本の離脱後は再び流動的となり、“今季11人目の1番”としてブリンソンに白羽の矢が立ったわけだ。ブリンソン自身も、メジャー通算357試合出場、28本塁打10盗塁の実績を持って巨人入りし、これまでに2、3、6、7、8番で起用されたが、打撃が振るわず、6月8日から同27日までは2軍調整を余儀なくされていた。今季成績は打率.236、出塁率.262、5本塁打22打点(2日試合前時点)。足は速く、センターでの守備範囲の広さには定評があるだけに、新しい打順での新鮮な感覚を打撃開眼につなげたいところだ。

 坂本抹消後の巨人は打線が湿り、全6試合で2得点以下(2度の零封負けを含む)で、1勝4敗1分。弱冠20歳にして3番に定着した秋広優人内野手は打率.308、不動の4番・岡本和真内野手は打率.310、両リーグを通じて断トツの18本塁打をマークしているだけに、なおさら1番が浮上の鍵を握る。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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