「バント失敗したり…」DeNAに必要な“1点の重み” 専門家が指摘する阪神との僅かな差

DeNA・三浦大輔監督【写真:矢口亨】
DeNA・三浦大輔監督【写真:矢口亨】

両チーム無得点で迎えた延長12回に4番・牧が14号ソロを放ち決着

■DeNA 1ー0 巨人(9日・東京ドーム)

 DeNAは9日の巨人戦(東京ドーム)に1-0で勝利しカード勝ち越しを決めた。延長12回に4番・牧が値千金の14号ソロを放ち勝負あり。前半戦残り2カードは首位・阪神、3位・広島との直接対決。野球評論家の新井宏昌氏は「どれだけ相手にプレッシャーをかけられる攻撃ができるか」と、首位奪還に必要なポイントを挙げた。

 安定感抜群の投手陣で勝利をもぎ取った。先発の東が7回2安打無失点の好投を見せれば、後を受けたウェンデルケン、伊勢、森原、エスコバー、山崎が5イニングを1安打に抑える無失点リレー。打線は決定打が出ないまま延長戦に突入したが、延長12回に頼れる4番の一発でようやくスコアボードに「1」が刻まれた。

 息詰まる投手戦に新井氏は「巨人のメンデス、DeNAの東は最高の投球をしたのは言うまでもない。ただ、両軍とも送りバントを失敗したり、得点圏に進めるなどして相手にプレッシャーをかけられなかった」と、試合を振り返った。

 DeNAに関しては初回に無死一、二塁の好機を作るなど、この試合は先頭打者が5度出塁したが得点には繋がらなかった。リーグトップの294得点と打線に爆発力はあるが「一発やタイムリーに期待するのではなく、ベンチで1点を奪いに行くことも必要になる」と新井氏は指摘する。

 セ・リーグは首位・阪神が独走体勢に入るかと思われたが、主力の離脱などもあり3位・広島までゲーム差「3」と混戦模様だ。DeNAはゲーム差「1」で虎を猛追しているが、1点差ゲームを見れば阪神の15勝7敗に対し、14勝12敗となっている。

「打てない時にいかに点を取っていくか。阪神は何年もペナントを知る岡田監督の“緻密さ”で勝つ試合が多い。近本が離脱したのは大きな痛手で、現状マークするのは大山ぐらい。投打の状態は阪神よりも良いのでDeNAにとっては今がチャンスです」

 首位打者の宮崎、10年目でブレークの兆しを見せる関根、牧、佐野らが揃い、他球団にとっては脅威の打線を形成している。「僅差で勝ち切るゲーム運びができれば」と新井氏。細かな得点能力が上げれば25年ぶりの優勝も見えてくるはずだ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

JERAセ・リーグ

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY