7連勝の西武に見える隙のない戦い 「今度は僕がカバー」右腕を鼓舞した“美技”

楽天戦に先発した西武・今井達也【写真:小林靖】
楽天戦に先発した西武・今井達也【写真:小林靖】

初回に3者連続空振り三振…5回無死満塁では右翼・岸が好プレー

■西武 2ー1 楽天(22日・ベルーナドーム)

 西武の今井達也投手は22日、本拠地ベルーナドームで行われた楽天戦に先発し、7回1失点(自責点0)の快投で今季5勝目(2敗)を挙げた。楽天には一昨年10月15日の対戦以降6連勝で、圧倒的な相性の良さを誇っている。チームは2-1で競り勝ち、オールスターを挟んで7連勝を飾った。

 今井は初回、3者連続空振り三振のスタートを切った。いずれも150キロ超の速球で追い込んだ後、1番の村林一輝内野手には外角低めのスライダー、小深田大翔内野手にはチェンジアップ、小郷裕哉外野手には内角低めの153キロのストレートを振らせて仕留めた。

「非常に投げっぷりがよかった。いい入りをしてくれたと思います」と称えたのは松井稼頭央監督。好不調の波が激しい今井にとって第1関門は、今季イニング別でワーストタイの5失点を喫している初回だった。捕手の古賀悠斗は「立ち上がりにこれほどいい投球ができれば、乗っていけます」とうなずいた。

 1点リードで迎えた5回には、対照的に粘りを見せた。連打で無死一、二塁とされた後、太田光捕手のバントを拾った古賀が三塁へ悪送球し(失策)、無死満塁と追い込まれる。ここで村林に右前へ運ばれ、三塁走者の生還を許したが、右翼手の岸潤一郎が二塁へ矢のような返球を送り一塁走者を封殺。「苦しい時にああいう風に助けてもらうと、守備でミスがあった時には今度は僕がカバーしなければと思います」と意気に感じた今井は後続を断ち、相手に勝ち越しは許さなかった。

 野手陣はその裏の攻撃で、「僕の送球ミスがなかったら0で終われたのに……」と責任を痛感していた古賀が、先頭打者で中前打を放ちチャンスメーク。2死二塁となった後、源田壮亮内野手が右中間を破る決勝適時三塁打を放った。

楽天戦38イニングぶり失点「いつ取られるんだろうと思っていた」

 今井は今季、開幕3連勝を飾ったものの、5月9日のロッテ戦で7回6失点、同24日の同カードでは2回8失点と炎上し2軍落ち。しかし、38日間の再調整を経て7月4日に昇格を果たした後は、3試合連続ハイクオリティスタート(HQS=7回以上で自責点2以内)と安定している。今井自身「いろいろ練習する中で、自分を客観視できるようになってきた。少しずつ余裕ができているのかなと思います」と手応えを感じている。

 楽天戦には圧倒的に強く、昨季の2戦2勝(14回2/3無失点)に続き、今季も3戦3勝(20回1失点0自責点)。この日の5回の1失点は、楽天戦では一昨年10月15日の4回に1失点して以来、38イニングぶりの失点だった。「相性はそれほど気にしていません。いつ取られるんだろうと思っていました」と笑う。

 キーポイントは、本塁打・打点の2部門でリーグトップ(22日現在)の浅村栄斗内野手を今季7打数ノーヒット4三振2四球、昨年も対戦打率.143(7打数1安打)に抑え込んでいることだろう。この日は2回の1打席目に、右翼フェンス際へ大飛球を浴びたが、岸のジャンピングキャッチに救われた。4回1死二塁での2打席目には、カウント3-2から無理をせずに四球で歩かせ、6回先頭での3打席目には、同じくカウント3-2から、ワンバウンドのスライダーを振らせて三振に仕留めた。古賀は「一番調子がよくて、打点を稼いでいる方ですから」と慎重な配球に笑みを浮かべた。

 プロ7年目の今井の潜在能力の高さは誰もが認めるところだが、好不調の波や怪我で、2桁勝利の経験はまだない。今季こそ後半戦に白星を積み上げ、殻を破りたいところ。リーグ5位から反転攻勢を狙うチームにとっても、鍵を握る男の1人だ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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