吉田正尚が米国にいても気になる“後輩” 「誰にも真似できない」愛される逸材の未来

レッドソックス・吉田正尚【写真:ロイター】
レッドソックス・吉田正尚【写真:ロイター】

吉田正尚「強くなって、人気も出てきた」気になる“古巣”の情報

 細かな情報は取り入れなくても、やはり“古巣”が気になる。レッドソックスの吉田正尚外野手が、そよ風の吹く海岸沿いを歩きながら、ふと呟いた。

「今年のオールスター、オリックスからは何人が選ばれたの?」

 選出された選手名を知らせると「え……! かなり多いね。それだけ注目してもらえている証しということかな。嬉しいことよね」。驚きの表情でこちらを向く。日差しに照らされ、パッと頭に乗せたサングラスが光った。

 古巣のオリックスからは今季の球宴に、山崎颯一郎、山下舜平大、山崎福也、山本由伸の4投手に加え、野手陣でも頓宮裕真捕手、紅林弘太郎内野手、杉本裕太郎外野手、そして森友哉捕手の出場辞退によって、若月健矢捕手の4人が球宴に出場した。指揮官は昨季2連覇を果たした中嶋聡監督が務めるなど、オリックス勢は計9人の“大所帯”となった。

 吉田は「3連覇を狙うシーズン。順調に勝っている。強くなって、人気も出てきた。間違いなく良い軌道だと思う。選手も、すごく嬉しいはず。僕たちは(コロナ禍で)無観客試合も経験していますから……」と本拠地のスタンドを“回想”した。

オリックス・山崎颯一郎【写真:荒川祐史】
オリックス・山崎颯一郎【写真:荒川祐史】

“吹田の主婦”にかける期待

 そのなかでも“吹田の主婦”の人気度が気になるようで「颯一郎のファンは増えた?」と問いかける。山崎颯は敦賀気比高の後輩にあたり「可愛らしいですよね。すごく素直で良い選手。彼はトミー・ジョン手術で数年間、苦しんだ経緯がある。まだ年間を通して1軍に居たことがないだろうし、今年が勝負。ここからの活躍を期待したいですよね」と思いやる。

「彼の持っている才能は、ずっと素晴らしいと思っていたんでね。器用ではないですけど、やっぱり、投げる球が凄い。誰にも真似できない角度で威力があるんです」

 ここ最近は“吹田の主婦”の愛称も定着。甘いルックスから、本拠地の京セラドームだけでなく、ビジター球場でも“黄色い声援”を受けることが目立つ。

 吉田は、ニコリと目を細めて言う。「颯一郎は、みんなから愛されますよね。顔もスタイルも良い。スター向きの選手だと思っています」。眩しい太陽をそっと見上げ、サングラスを戻した。

(真柴健 / Ken Mashiba)

○著者プロフィール
真柴健(ましば・けん)1994年、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年、日刊スポーツ新聞社に入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間、爆速で「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者を卒業。2023年2月からFull-Count編集部へ。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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