「頼りすぎるのはよくない」も… 巨人・原監督が再認識した坂本勇人の存在感

中日戦に出場した巨人・坂本勇人【写真:矢口亨】
中日戦に出場した巨人・坂本勇人【写真:矢口亨】

逆転3ランの岡本和も歓喜「やっと帰ってきてくれました」

■巨人 11ー5 中日(28日・東京ドーム)

 巨人は28日、本拠地・東京ドームで行われた中日戦で、坂本勇人内野手、丸佳浩外野手、ルイス・ブリンソン外野手がそろって1軍復帰。3人それぞれが活躍し、今季最多の11得点を奪って快勝した。

 とりわけ、チームの精神的支柱である坂本の存在感は格別だ。故障で6月24日から戦列を離れていたが、35日ぶりに出場選手登録され「2番・遊撃」で先発出場。2点を追う初回、1死走者なしで迎えた第1打席で早速、中日先発の涌井秀章投手から右翼フェンス直撃の二塁打を放った。この1打が、4番・岡本和真内野手の22号逆転3ランの呼び水に。岡本和は「何していたんだという話。やっと帰ってきてくれました。待ちわびてました」とジョークまじりに喜びを表現した。

 坂本は2回の第2打席でも、無死一、二塁の好機に、涌井が投じた内角低めの143キロ速球を一閃。名人芸の内角打ちで三塁線を破った。試合の流れを引き寄せる2点二塁打で、涌井をKO。3回2死二塁での第3打席も、2番手の左腕・砂田毅樹投手に対し、外角低めのスライダーを巧みにバットの先で拾って中前適時打。結局4打数3安打3打点の猛打賞で、自ら1軍復帰を飾ったのだった。

中日戦後にファンの声援に応える巨人・原辰徳監督【写真:矢口亨】
中日戦後にファンの声援に応える巨人・原辰徳監督【写真:矢口亨】

坂本抹消後は8勝13敗1分け…丸&ブリンソンも復帰で反転攻勢へ

「ウチの“大将”ですから。(戦列復帰のために)ファームのスタッフを含めて、しっかりと時間を使ってくれたのかなと思います」と評したのは、かつて“若大将”の異名を取った原辰徳監督だった。

 坂本が抹消された6月24日以降、巨人は8勝13敗1分(勝率.381)の泥沼だったが、その復帰でチームの雰囲気がガラリと変わったように見えた。勝利にこだわりつつ、チームの新陳代謝も進めていかなければならない立場の原監督は、「そこ(坂本)に頼りすぎるのはよくない」と複雑な思いも明かし、中堅・若手の成長を切望する。それでも「(坂本は)チームの他の選手にとっても、我々(首脳陣)にとっても、収まりというものを持った素晴らしい選手なのだなと思います」と再認識。プロ17年目・34歳のベテランとなってなお、存在感は絶対的だ。

 一方、打撃不振で今月18日に2軍落ちしていた丸も、「6番・中堅」でスタメン復帰し、5打数3安打2打点でこちらも猛打賞。左手首を痛めて離脱していたブリンソンも、5回に代打で左中間へ7号ソロを放ち、復活ののろしを上げた。リーグ4位からの反転攻勢へ向け、打線の顔ぶれはそろった。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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